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教会

 スップの防衛部隊を離れブライアンはギン達の護衛をギン達がコッポに帰国するまでの間、引き受けることとしてギン達と共に教会に向かっている途中でギンから話掛けられる。


「ブライアン、ちょっといいか?」

「なんだ?」

「お前に払う報酬の件だが……」

「な、突然金の話かよ。メシを食わしてもらったんだし、その礼替わりってことで話がついたんじゃないのか」

「そう思っているのはお前だけだ。俺も彼女もお前にそれ相応の報酬を払う必要があると思っている」


 ギンの言葉を聞いてエイムも会話に加わる。


「はい、国を越えて護衛してくださるんですからちゃんとお支払いしないと」

「いや、別に俺は…、いや、やっぱり止めとく。お前ら案外ガンコだから話が終わらなそうだからな」


 頑固という言葉を聞いてギンが少し不服そうに言葉を発する。


「頑固……、まあいい、それで金額の話だが……」

「いや、金はいい。代わりに仕事を紹介してくれねえか」

「仕事?俺達がか?」

「実は俺、もし兵士として出世の見込みがなさそうだったら漁師をやりたいと思ってたんだ」


 漁師という言葉を聞いて一瞬驚くギン達であったがエイムが率直な疑問をブライアンにぶつける。


「ブライアンさんは、どうして漁師さんになりたいんですか?」

「まあ、なりたいっていうか、俺は力自慢だし、兵士の他に漁師ぐらいしか生かす道はねえかなって思ったんだよ」


 ブライアンの話を聞いてギンが仕事に関する具体的な要望を聞く。


「漁師か、そうすると漁師ギルドに入るという道があるが。どうする?」

「ちょ、ちょっと待ってくれ!まだ大事な問題があるんだ」

「何だ?」

「俺は自分の船を持っていねえ」


 ブライアンのこの言葉に一瞬全員が黙り込んでしまい、中々次の言葉が見つからない中、エイムがまたしてもブライアンに率直な疑問をぶつける。


「あの、ブライアンさん。船がないと漁師さんになれないんですか?」

「いや!そりゃそうだろ」

「どなたかにお借りするわけには……」


 エイムが話しているときに、思わずギンが食い気味に話しに入る。


「いや、それは漁の度に船賃を支払わねばならないし、頼む漁師を間違えると足元をみられるぞ」


 ギンの言葉を聞いてブライアンは力説する。


「そうなんだよ!だから船を買うためにお前がやっている傭兵の仕事を紹介してほしいんだ」

「そういうことか、だが傭兵は危険な仕事が多いぞ。それでもやるのか?」

「当たり前だ。俺に二言はない」

「じゃあ、この件が終わったらタグにあるギルドを紹介する。そこに登録すれば問題ないだろう」

「よし、約束は守ってもらうぞ」


 3人が会話をしていると教会の前に到着しており、ブライアンが教会に反応する。


「あ、ここだ。これがミッツ教の教会だ」


 3人は教会を見上げその高さに驚愕し、エイムの表情が引き締まっていく。


「ここに僧侶様がいらっしゃるのですね」

「そうだな、しかし突然訪問をして大丈夫なんだろうか」


 2人の緊張が高まっているなか、ブライアンが言葉を発する。


「いや、教会っていうのは基本的には市民に開かれているもんだ。もちろん旅人にもな、とりあえずまず入って頼んでみてはどうだ」

「そういうことなら入ってみるか、いくぞ」

「はい」


 3人は教会の扉を開き、中に入る。中に入ると大きな十字架が飾っており、楕円形の広間に出た。そこに1人の女性僧侶。いや、聖職者というべき女性がギン達に話しかける。


「ようこそおいでくださいました」

「あなたは?」

「私はミッツ教のシスターであるルルーと申します」


 ついにミッツ教の教会に辿り着いたギン達。このルルーという女性はエイムの父の病気を治せるのか?

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