ヨナ達の住む村からグラッスの王宮へと向かうギン達はその道中でジエイと合流をする。
ジエイと合流すると早速ギンが声をかける。
「ジエイ、王宮の方はどうだった?」
「はい、トッポックス領主は現在、投獄されており処罰の内容は今後の合議で決定するようです」
ジエイの話を聞いてルルーが同盟交渉の可否を聞く。
「それで同盟交渉はできそうなの?」
「比較的今は城内は落ち着いているようですし、できると思われます」
「じゃあ、行きましょう」
ルルーがそう言うとギンは再び手綱をとり、馬車を動かす。
しばらくしていると王宮らしき建物が見えてきて、ジエイが一同に声をかける。
「皆さん、あれがグラッスの王宮です」
王宮の城下町の入り口で馬車を停車しルルーが一同に声をかける。
「じゃあ、みんな今回はムルカ様と私だけで王宮に入って交渉をしてくるから。町を見回って時間をつぶしておいて」
ルルーの提案にブライアンが反論をする。
「ちょっと待て、まさかお前らだけでご馳走にありつこうってんじゃないだろうな」
「そんな訳ないでしょ、今回は交渉が終われば早めに城を後にするわ。ヨナ達も待たしているし」
ブライアンとルルーのやり取りを見てムルカが声をかける。
「ではルルー、参ろうか」
「はい」
そう言ってルルーとムルカは王宮へと向かっていく。
王宮の門番をしている兵士に自らがプレツ国よりの特使だという事を告げて城内への入城を許可してもらい玉座の間へと案内される。
その一方玉座でルルー達を待つ男が居た。
「大臣よ、本当にプレツからの特使が来るのだな?」
「今時分その報告がございました。間違いはございません」
彼はグラッス国王であり、父親の先代国王急逝により若くして国王の座を継承したのである。このような交渉は初めてか緊張が隠せないようにある。
国王の緊張が解けぬまま、兵士より報告が入る。
「申し上げます、特使殿玉座の間へ入室されたしとの事にございます」
「う、うむ通してよいぞ」
国王がそう言うと、ルルー、ムルカが入室する。
「よくぞ参られた特使殿。ささ、陛下にご挨拶を」
大臣に促されてルルーとムルカがグラッス国王に挨拶をする。
「お初お目にかかり光栄でございます。プレツより参上しましたミッツ教神官ムルカにございます」
「同じくシスターのルルーにございます」
この若き国王との同盟交渉の行方は?