ギン達が魔導騎士団のプラナとの戦闘態勢に入った頃、ブライアンとルルーは侵入してきた帝国軍を迎撃するべく、ミッツ教団の教会を飛び出しスップの街中を駆け回っていた。
「住民は帝国軍が迫っていることを聞いて避難をしているようだが、肝心の奴らはどこにいるんだ?」
「それは分からないけど、多分まだ街中で戦闘は起きていないわ。もし起きていたらもっと大きな騒ぎになっているはずよ」
ブライアンとルルーが会話をしながら動いていると、避難している住民の声が耳に入ってくる。
「なんかもう、ブロッス帝国の兵隊がこの街に侵入したらしいぞ!」
「そうなの⁉防衛兵団はなにをやっているの?」
防衛兵団という言葉を聞いてブライアンの中の不安が強くなっていく。
「防衛兵団⁉ひょっとするともう……」
ブライアンの不安げな表情を目にしたルルーがブライアンに尋ねる。
「どうしたの?ブライアン」
「ルルー、ひょっとすると防衛兵団が既にやられてこの街に帝国軍が侵入したかも知れねえ」
「なんですって⁉でも本当にそうだとすると街の防衛が難しくなるわ。敵の数がどれだけいるか分からないけど私達だけで対処できるかどうか……」
「とにかく奴らを探すぞ!奴らを見つけりゃ全部分かる」
ブライアンがそう言って動き出そうとすると、ブライアンの目にある人物達が見えた。
「隊……長、マイク!」
ブライアンが目にしたのは二フラやマイク達であり、二フラ達もブライアンの姿が目に入り、思わず足を止める。
「ブライアン!」
二フラは自らが目にしたブライアンの姿が信じられず、思わず駆け寄る。マイクも後に続く。
「ブライアン!本当にブライアンなんだな⁉何故お前がこの街にいるんだ?」
「あの……それは……」
返答に困るブライアンにルルーが助け舟を出す。
「ブライアン殿のお知合いですか?お初お目にかかります、
「ミッツ教団のシスター殿⁉何故あなたが彼と一緒に?」
「ご存じだとは思いますが現在我々は反帝国同盟の特使として動いております。ブライアン殿には
「そうでしたか……」
ブライアンの新たな仕事内容に二フラは驚きを隠せず、マイクは現在のブライアンの状況に嬉しさを隠せないでいた。
「すごいじゃないですか!ブライアン殿。すごい大仕事を任されるなんて!」
「まあ、成り行きでそうなってな」
二フラも冷静さを取り戻し、ブライアンに現在の状況を告げる。
「再会とお前の門出に祝杯でもあげておきたいところだが、そうも言ってられない。ブライアン、先程ギン殿達と会ったぞ」
「隊長!ギン達と会ったんですか⁉あいつらは今どうしているんですか?」
「帝国軍と交戦している。悔しいが我々では歯が立たず、彼らに任せてきた」
二フラからもたらされたギン達と帝国軍が既に交戦をしている情報を受け、ブライアンとルルーも戦いの中へ向かおうとしている。