プレツの港町ニリより出港後、目的地であるピトリの港町アイルに到着し、ギン達は馬車と共に下船の準備をしていた。
その準備の際にギンが仲間達に声をかけているようだ。
「とりあえず馬車から降ろそう、荷物は詰めたし俺がループを、ヨナがゲンジを降ろしてくれ」
「あいよ」
「他のみんなは馬車が降りたのを見てから降りてきてくれ」
ギンの呼びかけにルルーが応じる。
「分かったわ」
ルルーの返事にギンはうなずき早速ループの馬車を降ろす。
ループの下船を終えるとヨナに声をかける。
「ヨナ、いいぞ!」
「あいよ」
ギンの呼びかけに応じ、ヨナがゲンジの馬車を降ろす。
ゲンジの下船を終え、残り全員に声をかける。
「みんな!降りて来なよ」
エイムがヨナの呼びかけに応じ、全員が下船にかかる。
「はい」
一同が下船をしていく中、ウィルとミニルにリンドが声をかける。
「坊ちゃん、お嬢、俺達が船番をしているんで安心して行ってくだせえ」
「おう、お前達がいるなら安心だ」
「でも気を付けてね」
ウィルとミニル、リンドがやり取りをしている中、ヨナが口を挟む。
「おっちゃん、あたしの傭兵団の奴らも念の為何人か護衛に残すよ」
「いいのか?」
「帝国がこの船を狙わないとも限んないしさ」
「そういうことならお言葉に甘えさせてもらうぜ」
ヨナの提案をリンドが受け入れ、ヨナが傭兵団の者達に指示を出す。
「じゃあ、船は頼んだよ」
「任せて下せえ」
ヨナの言葉を聞き、傭兵達は意気揚々と船へ戻りなおし、ヨナに対し、ウィルとミニルが礼を述べる。
「悪いな、助かるぜ」
「ありがとうね、リンド達も助かるわ」
「別にあんた達の為だけじゃないさ。あたしらにとってもこの船は大事だからね」
ヨナの発言を聞いてから、ルルーがウィル達に声をかける。
「ヨナの言う通りよ、私達はこの船を失うわけにはいかないの」
ルルーがそう言うと、ギンが質問を投げかける。
「ところでルルー、このまま王都に向かうのか?」
「みんな船旅で疲れていると思うし、今日はこの街で休んでいきましょう」
ルルーの言葉を聞き、ムルカが賛同の意思を示す。
「そうだな、どの道馬車でも数日はかかるしな」
ムルカがそう言うとブライアンが言葉を発する。
「休むのはいいけどよ、まだ日は高いぜ」
ブライアンの発言を受け、ルルーが最初の提案をする。
「まずは馬車をどこかの馬小屋に預けましょ、そこに行く途中で話しながら決めればいいじゃない」
「じゃ、そうすっか」
新たなる国ピトリ、ここで待ち受けていることとは?