ギンとの再会に安堵する表情を見せるプラナ。そのプラナにマザーが声をかける。
「プラナさん、せっかくお兄さんとお会いできたし、ゆっくりお話ししてもよろしいのですよ」
「マザー、ではこの洗濯物だけ干したらそうさせて頂きます」
「じゃあ、私は院の方に戻っているので終わったらお部屋をお貸ししますよ」
そう言ってマザーは戻っていき、教徒もギンに声をかける。
「ギン殿、私も院の方におりますので、お帰りの際はお声掛け下さい」
そう言って教徒も院の方へと入っていく。
一瞬静かな時が流れるが、ある一言で静かな時が終わりを迎えていた。
「あ、いたいたプラナおねえちゃーーん!」
「おい、待てよ」
子供の声がし、その方を見るとギン達にも見覚えのある顔であった為、思わずギンとエイムは声をあげる。
「アル⁉」
「マリンちゃん⁉!」
まず子供の1人はかつて魔物に襲われた村で会った少年、アルであり、もう1人はスップに住んでいる少女マリンであった。
アル達も気付き、ギン達に対して声を発する。
「あれ、にいちゃん?どうしてここにいるんだ」
「おねえちゃん、帰ってたの?」
アル達から質問を受けるがエイムが2人に対して返答をする。
「私達はそこにいるプラナさんに会いに来たんですよ」
「プラナおねえちゃんに、どうして?」
マリンの疑問にギンが答える。
「プラナは俺の妹なんだ」
「妹、あ、おねえちゃん、お兄ちゃんがいたんだ。マリンと同じだね」
マリンの屈託のない返答を聞いて、ギンはある事が気になり、マリンに尋ねる。
「確か、君はスップで帝国軍だった彼女を見ているはずだ、怖くないのか?」
「うーーーん、帝国の兵隊さんがいるのは怖かったけど、でもプラナおねえちゃんは何もしなかったし。ここで会った時もプラナおねえちゃんとても優しかったよ」
「そうなのか、だけど彼女の事を覚えていて、よく怖がらずにいれたな」
「あのね、お兄ちゃんから聞いたんだけど、プレツと帝国って仲直りしたんでしょ。じゃあマリンもプラナおねえちゃんと仲良くしたいかなって思ったの」
マリンの返答を聞いてからギンはアルにも聞く。
「アル、お前はどう思っているんだ?」
「確かに帝国のせいで父ちゃんが死んだとも思っていたけどさ、でもそれはプラナねえちゃんが悪いわけじゃねえし」
「プラナを許してくれるのか?」
「許すも許さねえも、一番悪いのは魔物だし、帝国とプレツが仲直りしたってんなら、もう戦争なんて起きねえのがいいんじゃねえの」
幼い子供の心の成長速度に驚きながらも頼もしく思うギンであった。