目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

王宮まで

 ニーがふるまってくれた手料理を食べ終えたヨナ達はいよいよグラッスの王宮へと向かい、ヨナの父と弟の救出、そして国王を傀儡として操り国内の政治を意のままにしようとする側近の排除についての作戦について話していた。


「では、早速ですが明日にはグラッスの王宮に向かいヨナ殿の父君と弟君を助け、国王の側近を糾弾し、国王にしっかり力を取り戻させましょう」

「簡単に言うけどよ、それを全部明日でやり遂げるのか?中々骨が折れそうだぜ」

「どれか1つでも明日中に達成できなければ次の機会を待つ前にグラッスは帝国に侵攻してしまいます。我らの立場と戦力では侵攻そのものを止めるのは困難です」

「まあ、それならやるしかねえな。それで作戦は?」


 ウィルの問いにジエイは作戦の説明をする。


「まず私が王宮に潜入するのでそのうえで得た情報を元に作戦を立てましょう」

「急がなくちゃならねえわりにはずいぶん慎重だな」

「さすがに今回のようにいきなり正面突破は無謀です。この屋敷にも守備の兵は残すつもりなので」

「全戦力を投入できねえわけか」


 ウィルの言葉を受け、ジエイが戦力の割り振りを一同に説明する。


「王宮に向かうのは当然ヨナ殿。そして私、ウィル殿、ミニル殿、傭兵団の一部の方。残りはトッポックスの兵も含めこの屋敷の防衛に残ってもらいます」

「王宮側の戦力を大分絞ったけど、それで大丈夫なのか?」

「側近を拘束できる最低限の人数で、かつ敵に気付かれずに動きやすいのがこの人数なのです」


 ウィルに人数の割り振りの理由を説明し、更にジエイはもう1つの理由を話す。


「側近さえ拘束してしまえば王宮の兵は国王の命に従う他ありません。その時点で我らの敵はいなくなります」


 ジエイの言葉を聞いてヨナがジエイに対し、自身が国王について思っていることを話す。


「でもあたしは単に側近を捕まえるだけじゃだめだと思う。あの王様は悪い人じゃないけど、自分が国の政務を司る自身がなさそうだし」

「ヨナ、それってどういうことなの?」

「今の王様は前の王様が急に死んで跡を継ぐことになって、側近達に政務を任せっきりなんだ。あの人が自分でやっていく自身がなければ逆にあたし達を反逆者とするんじゃないかな」

「でも前のルルー様やジエイさんの話を聞いて思ったけど、王様はあなた達を見捨てるつもりはなかったんでしょ」


 ミニルがヨナに伝えたいこととは?

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?