グラッス国王側近ガンシルを裏で操っていた魔物であるレーデを倒すことに成功したヨナ達。
そんな中、逃走を試みるガンシルであったが、グラッス兵に捕縛され、グラッス国王マルスよりどのような取引をレーデとしたかを問い詰められ魔導具の献上を約束したと返答し、更にマルスが問い詰めていた。
「それで、その魔導具とはどのような物なのだ?」
「わ、分かりませぬ!強力な魔力が込められているとだけ聞いていましたので」
魔導具の正体を分からぬととぼけたように感じたウィルはガンシルに詰め寄る。
「おいおい、もうあの魔物は死んだんだぜ、今更とぼけんのか?」
「ほ、本当だ!今更わしが嘘をつくわけないだろう」
ガンシルの言葉を聞き、マルスがガンシルに対しあることを告げる。
「もうよい!お前の処分はおって決める!牢で自らの行いを悔いるのだな!」
「へ、陛下……私は……国の……」
「牢に連れていけ!」
「はっ!」
マルスの命を受け、ガンシルは兵達に牢屋まで連行され、玉座の間より姿を消す。
ガンシルが部屋よりいなくなるとガンシルはフィファーナに声をかける。
「フィファーナ将軍、我らはブロッス帝国との休戦を受け入れる。本国に戻ったらそのように伝えてもらってもよろしいか?」
「貴国が休戦を受け入れるなら我らとしても戦う理由はない。そのように伝えておこう」
「かたじけない」
更にマルスはヨナに対して言葉をかける。
「ヨナよ、そのたのおかげで我が国は誤った道を正すことができた。国王として礼を言わせてくれ」
「あ、い、いえ、そんな、あたしはただ……」
国王の声掛けにヨナも言葉はまとまらなかったが、ヨナは意外なことを話した。
「あ、あの、お、覚えてますか?あたしに本を読んでくれたことを」
「そういえばそのような事があったな、しかし何故その話を?」
「その、ありがとうございました。あの時のあたしはその、優しくしてもらってもお礼の1つも言えなくて……その、怒っていないかなって……」
「フフフフ、ハハハハ!」
ヨナの発言を聞いて思わず大笑いをするマルスに周囲が唖然とし、マルスが気を取り直して話の続きを始める。
「あ、いや失礼、先程まであの魔物やガンシルに啖呵を切った者とは思えずついな。だが仕方あるまい、そなたはあの時体調が悪かったのだろう」
「いや、あの、それは義母の嘘で、本当はあたしどこも悪くなくて……」
「そうであったのか⁉しかし居心地の悪そうな顔をしておったようだが」
「ああいう場が苦手で、でも王様の気持ちはとても嬉しかったです」
戦いを終え、安らかなひと時をヨナは迎えていた。