帝都に通じる森を抜けたギン達は帝国の本城を目指し少しづつ移動していた。
城が一同の目に入り、ジエイが声をかける。
「皆さん、城が見えてきました!」
「ああ、いよいよだな」
ギンとジエイがやり取りをしているとムルカが何かに気付き声をかける。
「どうやら我々の歓迎の準備はできているようだ」
「ええ、嬉しい歓迎の仕方ではないですけどね」
ムルカの言葉を受け、ギンが若干皮肉交じりに言葉を発しながらムルカに促された先を見ると、そこにはトーラスが魔導騎士団を率い、迎撃準備をしていた。更にエイムも別の何かに気付きギンに伝える。
「ギンさん、あれを見てください」
「あれは魔導師団、エンビデスまで!」
ギンとエイムの言葉を聞いて、ルルーが状況の整理も兼ねて言葉を発する。
「帝国の主力部隊が2つもこうやって待ち構えているということは私達の入国はすでにばれていたわけね」
「ルルー様、フィファーナ将軍は大丈夫なんですか?このままじゃ私達の為に反逆者扱いされてしまいますよ」
「フィファーナ将軍のことは心配だけど、今は私達はここを突破しなくてはならないわ」
ルルーとミニルのやり取りを聞いてブライアンがルルーの言葉に追随する。
「ルルーの言う通りだ、どっちにしろ俺達がカイスをどうにかしねえといけねえ、ここまでしてくれたフィファーナの為にもな!」
「そうだね、あの将軍も自分の役割を果たそうとしてるんだ、あたし達もやるよ」
ブライアンとヨナがそう言うと続けてギンが一同に呼びかける。
「奴らが出てきたなら説得にはむしろ好都合だ!いくぞ!」
ギンがそう一同に呼びかけると、城門の前まで移動し、トーラスやエンビデスの指揮している部隊と相対し、相対するとギンが第一声をトーラス達に放つ。
「トーラス、エンビデス!俺達はお前達やカイスと話し合いに来たんだ、ここを通してくれ!」
「戯言を、そうであれば正規の外交ルートを使えば良かったのだ、わざわざ密航をしてまで帝国に侵入した者の発言とは思えんな」
「それはお前達が再び各国に戦端を開いたからだ!だから俺達にはこうする以外方法がなかったんだ!」
「黙れギン!いずれにせよ貴様らは我ら帝国の敵だ!魔導騎士団長として私が貴様らを始末してくれる!」
ギンが和平の話し合いをトーラスとエンビデスに持ち掛けるも、あくまでギン達は敵であると譲らないトーラスは臨戦態勢に入り、魔導師団を指揮するエンビデスや部下達も臨戦態勢に入る。
ギン達はトーラス達を説得し、城内に入ることができるのか?