今にも泣き出しそうな夜だった。
何故かは分からない。ただ泣きたかった。
公園は夜になると、当たり前だが静かだ。私はそんな公園が嫌いだった。独りだと周りに言われている様で。
風が吹き、ブランコがほんの少し動いたとき、
私は彼に出会った。
「初めまして。」
私は避けるように尻もちをついた。
「大丈夫?」
この人はおかしいのか。影もなく現れ、私に話しかけている。
「女の子が1人でいるなんて。危ない」
そう言って手を差し伸べてきた。暗くて腕しか見えない。
普通は逃げるだろう。相手は男だ、何をされるか分からない。でも、その手を取りたくなった。
ゆっくり手を伸ばすと強い力で引っ張られた。その時、初めて彼の姿が見えた。
「僕はね。助けに来たんだ。『貴方』のために」
意味がわからない。私のために?彼とは初対面だ。
「ス、トーカー、、?」
咄嗟に出た言葉はそれだった。それ以外あり得ない。
「ちっっがう!ちがうよ!まってなんでそうなった。」
「だって、私、あなたのこと知らないから!違うの?」
こうして彼とは出会った。