夜が明けた。あおいは売れ行きの良かった、ポーションゼリーとエリクサー金平糖を錬金術で作ってから、街の店に向かった。
途中、市場でクレープの材料を購入していると、クレイグに出会った。
「おはようございます、あおいさん」
「おはようございますクレイグさん」
「昨日は、素敵な商品ありがとうございました。エリクサー金平糖の効果はとても優れていました」
「ありがとうございます。そう言って頂けると嬉しいです」
あおいはクレイグにお礼を言った。
「今日はこれからお店ですか?」
「はい」
あおいがこたえるとクレイグが頷いた。
「それでは、私も買い物がありますので、荷物をお持ちしましょう」
クレイグはあおいの買った小麦粉と牛乳を持った。
「あの、申し訳ないです。大丈夫ですから」
「一緒に歩く女性に、こんなに重い物を持たせるわけには参りません」
クレイグは足取りも軽く、あおいの店に向かった。
すぐに、あおいの店に着いた。
「ちょっと待っててくださいね」
あおいは急いで店のシャッターを開けた。
「どうぞ、荷物はカウンターに置いちゃってください」
「はい、どうぞ」
クレイグはカウンターにあおいの荷物を置いた。
「ありがとうございました。お礼に何かプレゼントしたいのですが、欲しい商品とかありますか?」
クレイグはちょっと悩んでから、言った。
「それでは遠慮無く。チョコレートのクレープをください。あと、ポーションゼリーを10個お願いします」
「10個ですか!?」
あおいが驚くと、クレイグは言った。
「面白いので王宮で配ろうと思いまして。あ、お代はちゃんと払いますよ」
「じゃあ、チョコレートクレープとポーションゼリー10個、用意するので少々お待ちください」
あおいは台所に立つとクレープを焼きだした。
だんだんと、あおいの店に列が出来る。
「盛況ですね」
「おかげさまで」
あおいはチョコクレープと、ポーションゼリー10個を用意するとクレイグに渡した。
「今日はありがとうございました。ポーションゼリー10個で1ゴールドです。クレープ代はおまけです」
「ありがとうございます。あおいさん」
クレイグは1ゴールドを渡し、チョコレートクレープとポーションゼリーを受け取った。
「それでは、また」
クレイグは店を後にした。
「ありがとうございました!」
あおいはクレイグの後ろ姿に声をかけた。