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素朴八百 青龍
素朴八百 青龍
素朴
文芸・その他ショートショート
2025年03月29日
公開日
1.5万字
連載中
便宜上連番を振っていますが、ショートショートですので、どこから読んでいただいても構いません。 よろしくお願いいたします。

青龍1

河を向いてズラリと並ぶ、互いの兵や騎馬の軍勢。皆、硬直しているかのように微動だにしない。これからの戦に備え、河のせせらぎも鳥のさえずりすらも止まってしまっているようだった。


睨み合いが続き、既に2日が経った。

緊迫した状態はそれでもなお続いていた。


両軍、互いの将の開戦開始の合図を待つ。

互いの将、相手の開戦開始の合図を見る。相手の開始の合図に遅れを取るつもりはなかった。

しかし、ここに、お互いの将軍は同時に全く同じことを考えていた。


これ…何のために戦うんだったっけ?


お互い良く分かってなかった。なんか皆が皆、人が来たぞーとか人が行くぞーとかテンション高かったから。とりあえず出陣切ってみた。けれど、なんで戦わなきゃいけないのか、全然わかっていなかった。というか相手の軍勢はどこの軍勢なのだろう?別にうちらの周りは過度に友好的ではなかったとしても、そこまで敵対していた関係でもなかったはずだ。


今も厳しい顔して座ってはいるし、合図を出せば近くの法螺貝が鳴り戦が開始されるだろう。でもイマイチ理由が分かっていない。近くの副将達に聴いてみようか。でもまた怒られる気がする。この前も送られたお土産食べすぎてすんげぇ怒られたし。


やっべー、どうすりゃいいんだこれ。


【開戦前】

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