目次
ブックマーク
応援する
いいね!
コメント
シェア
通報

青龍40

猫ってのは、自分の死期を悟ると、ふらっと姿を消しちまうんだと。

理由は、よく分からんけどね。


ただ、何て言うの、この姿勢? いや態度か? カッコいいと思わないかい。俺は、ちょいシビれるねぇ。

男は黙って背中で語る、的な? いや、メス猫もそうかもしんないけどさ。


引き際を察知したら、自分てめえで、自分てめえにケリを付ける。

ぎゃあぎゃあ騒がず、黙って独り、ケリを付ける。


憧れるなぁ、俺もそうなりたいもんだ、ほんっと、心から思うわ。


心から思う。


思っているんだわ。


思っていないとやってられないんだわ。


ちょっとねぇ。

どうも薄々、俺は猫にはなれんのではなかろうか、と思い始めているのよ。


あぁ、参ったなぁ。独りになりてぇなぁ。こんなに囲まれちゃあ、猫みたいにふらっと消えられもしないじゃないの。


過去、俺が、色々やらかしたことについては、謝る。


だからさあ、頼むよ。


その銃口を、下ろしてくれ。


【死期】

この作品に、最初のコメントを書いてみませんか?