飯テロ注意!!!
登場する料理の数々が、誰でもイメージしやすい家庭料理だからこそ、まずは声を大にして伝えたいです。
定食屋出身の女子高生「なづな」が、高校の剣道部寮で部員たちの日々の食事管理を任されるという、青春ものであり部活ものであり、どこかお仕事もののようでもあるストーリー。
この剣道部というのが全国大会を目指す強豪で、部員たちの意識の高さはもとより、選ばれしレギュラー候補だけが剣道部寮に入れるシステムなど、徹底した実力主義のガチの部活。
そんな中で、剣道なんて知らないなづなの意思表示の手段は料理だけであり、料理を通してクセのある部員たちと体当たりで接していくというのが痛快です。
部員たちが抱えている問題も様々で、全国津々浦々から集まった地域差による派閥争いを軸に、その矢面に立つ部長と副部長の対立。
はたまた、強豪の中で実力の壁にぶつかる者。
さらには、憧れと恋が混ざったような恋愛事情(百合)などなど。
部員みんなが思春期らしい悩みを抱えています。
それらが一人一人丁寧に描かれているので、登場人物が多い中でもそれぞれの個性が際立ち、物語としての飽きもありません。
当然ながら、部員の悩みにマネージャーとして向き合うことになる主人公の苦労と頑張りも、見どころの一つです。
料理の使われ方も様々で、誰かを元気づけるために腕を振るうこともあれば、ちょっとしたおやつで談笑を楽しんだり、体調を崩した先輩に看病の料理を作ったり、はたまた盛大なバーベキューでみんなで盛り上がったり。
必ずしも誰かの悩みに関わるばかりでなく、日々の生活の中で当たり前にある、日常と隣り合わせの「食」という色を強く感じます。
定食屋で鍛えた料理の腕前を披露するなづなも、とても頼もしく、カッコいい。
飯ものである以前に、料理人としての成長物語である点も大きなポイントかもしれません。
そんななづなも、大きな問題を一つ抱えています。
いずれ、克服する時は来るのか。
まだまだ序盤だと思うので、描かれきってない他の部員たちとの交流も。
そして、まだ見ぬ次の料理も。
楽しみなことがいっぱいです。
料理も、青春も、恋愛も、人間ドラマも、笑いも、感動も、全部欲張ってお腹いっぱいになれる。
そんな作品です!