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第22話 執筆者の一言

男が召喚された。

「王国は、魔王軍に攻められ風前の灯となっております。我々を助けて下され。」王は、男に懇願する。


男は戸惑いながらも了解した。

王は、男に力強い冒険者を仲間として紹介する。

・盾職のドワーフ筋肉マン

・優男の剣士

・堅物な賢者

・美エルフの魔法使い

・生真面目な聖女

・冴えない男 ・・?

「国王。最後の男の職業は?また、どの様な役割りが有るのでしょうか?」

「彼は、記録官です。全ての戦いを記録するのが彼の仕事となります。因みに、彼の戦闘能力は有りません。期待はしないで下さい。」


準備が整い、彼らは出発した。 


幾多の戦いが有り、苦しみも悲しみも有った。勿論楽しい事も少しだけ有った。

全てが記録官により、記録された。


長い戦いの末、男たちは魔王を倒して凱旋した。王国民の歓声の中でのパレード、王の主宰する受勲式とパーティー。

記録官は、記録し続けた。


全てが終わり、記録官はひとり自室に籠りながら、長い戦いの記録をまとめ・・・。終わった。

残るは表紙に題名を記入する事で全てが終わる。記録官は、こう記入した。


[ 勇者の記録 ]




執筆者から一言。

召喚者は、魔王に勝ったから [ 勇者 ]となれた。

負けていれば [ ただの召喚者 ]と記録されたでしょう。





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