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第125話 神々の気まぐれ 18「絶対アイテム」

魔王は迷っていた。

先日、妙な商人より譲り受けた箱を前にして・・・。


妙な商人は、箱を譲り渡す際に、妙な言葉を残した。


その言葉は、「将来に勇者と戦い、魔王様の命に危険が迫った時に、この箱を開けて、中のアイテムを使用して下さい。

必ずや勇者はあなた様の命を助けて下さりますでしょう。決してお忘れなく。」


魔王は、一言呟いた。

「わしが、負けると言うのか。勇者には勝てないと言うのか。バカにするにもほどが有る。」と


時が流れ、今魔王の前には、勇者がいる。状況は最悪であり、魔王は満身創痍で立ち上がるのも辛い。


魔王の命も、風前の灯と言えるだろう。


「わしが負けると言うのか・・・あ!」

思い出した箱。半信半疑で開けて中のアイテムを握った時に、勇者は戦いを突然止めた。


唖然とする魔王。この状況を理解出来ていない。


だが、このアイテムの効力を確信した。

彼の右手に握られたのは、[ 真っ白な旗 ] ・・・。


日本人である勇者には、この意味が痛い程に理解されている。

戦いは終わった。



神界テレビの視聴者も、突然の結末に・・・唖然とする。


神界テレビ関係者達は、言い訳の様に一言、


「最近の勇者が強すぎて、つまらないと視聴率が下がり気味なの。

魔王も度々の死亡で候補すら育たない状況での即時の戦いでは、非常に不味すぎる。

今の魔王に力を蓄えて貰いリベンジの機会を。

未来の視聴率の為に。」




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