魔王ミカエルとの戦いから数日後。
今日は、スーパー「ヨサゲヤ」に買い出しに行く事にした。
「お菓子♪お菓子♪」
「お酒♪お酒♪」
「アイス♪アイス♪」
お菓子とお酒とアイスは、一つずつ!
「ケチッ!」
「ケチッ!」
「ケチッ!」
ケチじゃない!!
・・・まったく。
屋敷に戻った僕らはいつも通りくつろいでいた。
プシュッ
トクトクッ
ゴクゴクッ
プハーッ
「この一口の為に生きてるな。」
イボンヌがビールを開けた。
「戦いの後のコーラは本当に美味しい♪」
桜花、戦いの後ならコーラじゃなくても美味いぞ。
「この月見饅頭ってアイスも美味いぞ。」
ロックは、アイスを全種類制覇するつもりだな。
「このサイダーという飲み物は、宇宙で一番美味いな。」
イブ、いくら女神でも、それは言い過ぎだ。
そして、僕はイボンヌに付き合って、ビールを飲んでいた。
それにしても、ミカエルを倒した「狭間の力」は、使いこなすのに骨が折れそうだ。僕の体も悲鳴を上げていた。それほど負担がかかるものなんだろう。
「ハク、『狭間の力』には、気を付けた方が良い。」
イブがいつになく真剣な表情で言った。
「あれは、混沌を司る力だ。使い方を間違うと世界が滅ぶ。」
・・・世界が滅ぶほどの力・・・肝に銘じよう。
「わかった。イブ。気を付けるよ。」
「ところで、ミカエルも居なくなったし、ぼくは屋敷を出ようと思う。」
「イブ!どうしたの急に。全然いてもいいのに。」
桜花が驚いて言う。
「ぼくは、エルドランドとこの世界、2つの世界のバランスを保たないといけない。君らといつまでも一緒にはいられないんだ。女神だからな。」
「イブ、寂しくなるよ。」
イボンヌが本当に寂しそうだ。
「おいら、イブのこと、待ってるよ。」
ロックは本当に前向きだ。
「じゃあ、ぼくはこれで。また会おうな!テレポート(空間転移魔法)!」
イブは、行ってしまった。
「来たのも急だったけど、お別れも急だったね。イブ。」
桜花の目に、涙が浮かんでいた。
その後。
イボンヌは、父親とのわだかまりがなくなり、父のようなアーチャーを目指して修行をしている。
ロックは、持ち前の明るい性格で、社会勉強のためにバイトを始めたみたいだ。
桜花は、ミカエルにさらわれてしまった辛い経験を乗り越え、ヒーラーとして更に成長しようとしている。
そして、僕=ハクは、
『狭間の力』を手にしたことで、気持ちに変化があった。
女神イブの助けになるよう、この世界(日本)で勇者を目指すことにした。
勇者ユウや勇者ノアのように・・・。
僕らは、最強パーティ。
何が来ても怖くはない。