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第29話 旅立ち

魔王ミカエルとの戦いから数日後。


今日は、スーパー「ヨサゲヤ」に買い出しに行く事にした。

「お菓子♪お菓子♪」

「お酒♪お酒♪」

「アイス♪アイス♪」

お菓子とお酒とアイスは、一つずつ!

「ケチッ!」

「ケチッ!」

「ケチッ!」

ケチじゃない!!

・・・まったく。

屋敷に戻った僕らはいつも通りくつろいでいた。

プシュッ

トクトクッ

ゴクゴクッ

プハーッ

「この一口の為に生きてるな。」

イボンヌがビールを開けた。

「戦いの後のコーラは本当に美味しい♪」

桜花、戦いの後ならコーラじゃなくても美味いぞ。

「この月見饅頭ってアイスも美味いぞ。」

ロックは、アイスを全種類制覇するつもりだな。

「このサイダーという飲み物は、宇宙で一番美味いな。」

イブ、いくら女神でも、それは言い過ぎだ。

そして、僕はイボンヌに付き合って、ビールを飲んでいた。

それにしても、ミカエルを倒した「狭間の力」は、使いこなすのに骨が折れそうだ。僕の体も悲鳴を上げていた。それほど負担がかかるものなんだろう。

「ハク、『狭間の力』には、気を付けた方が良い。」

イブがいつになく真剣な表情で言った。

「あれは、混沌を司る力だ。使い方を間違うと世界が滅ぶ。」

・・・世界が滅ぶほどの力・・・肝に銘じよう。

「わかった。イブ。気を付けるよ。」

「ところで、ミカエルも居なくなったし、ぼくは屋敷を出ようと思う。」

「イブ!どうしたの急に。全然いてもいいのに。」

桜花が驚いて言う。

「ぼくは、エルドランドとこの世界、2つの世界のバランスを保たないといけない。君らといつまでも一緒にはいられないんだ。女神だからな。」

「イブ、寂しくなるよ。」

イボンヌが本当に寂しそうだ。

「おいら、イブのこと、待ってるよ。」

ロックは本当に前向きだ。

「じゃあ、ぼくはこれで。また会おうな!テレポート(空間転移魔法)!」

イブは、行ってしまった。

「来たのも急だったけど、お別れも急だったね。イブ。」

桜花の目に、涙が浮かんでいた。


その後。

イボンヌは、父親とのわだかまりがなくなり、父のようなアーチャーを目指して修行をしている。

ロックは、持ち前の明るい性格で、社会勉強のためにバイトを始めたみたいだ。

桜花は、ミカエルにさらわれてしまった辛い経験を乗り越え、ヒーラーとして更に成長しようとしている。

そして、僕=ハクは、

『狭間の力』を手にしたことで、気持ちに変化があった。

女神イブの助けになるよう、この世界(日本)で勇者を目指すことにした。

勇者ユウや勇者ノアのように・・・。


僕らは、最強パーティ。

何が来ても怖くはない。

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