前回のリザードマン討伐も大バズりした、あーし。
今日は森林エリアの奥で、さらなる強敵との戦いに挑むよ。
リスナーたちも期待を胸に配信を待っているからね。
「今日もみんな、見に来てくれてありがと! 今回は森林エリアで巨大な猪、ワイルドボアと一騎打ちだよ!」
あーしの金髪ポニーテールが揺れ、ドローンのカメラがその姿をしっかり捉える。
画面にはあーしの自信に満ちた笑顔が映し出され、リスナーたちのコメントが次々と流れる。
『花緒ちゃん、今日も頑張って!』
『ワイルドボアってめっちゃ強そうだけど、大丈夫?』
『花緒ちゃんの勇姿を楽しみにしてる!』
「みんな、応援サンキュー! 今日も楽しみにしててね!」
森林エリアの奥へと進むと、辺りはだんだん薄暗くなり、湿った土の匂いが鼻をつく。
木々の間から差し込む陽光が薄暗い道を照らし、まるで迷路のように入り組んでいる。
その奥に開けた場所が現れた。
そこには巨大な猪——ワイルドボアがいた。
体長は2メートルを超え、鋭い牙と硬そうな毛皮が特徴的だ。
「あれがワイルドボア……うん、なかなか迫力あるじゃん」
自分のテリトリーに敏感なのだろう。
ワイルドボアは怒りに満ちた目であーしを睨みつけ、一気に突進してきた。
ピギイイイイイイイイイイイイイイッ!
地面が揺れるほどの衝撃に、周囲の空気と草木が震える。
あーしはその猛進を冷静にかわし、背後から攻撃を仕掛ける。
「こっちだよ、おバカ猪!」
あーしは拳を固め、一気に間合いを詰めてワイルドボアの側面に回り込む。
そして全体重を乗せて正拳突きを叩き込む。
だけど、その硬い毛皮は思った以上に頑丈で、攻撃はあまり効いていない。
「なにこれ、全然効いてないじゃん!」
ワイルドボアは再び突進してくる。
あーしはその動きを読みつつ避け、再び攻撃を仕掛ける。
今回は飛び上がり、強烈な踵落としを額に叩き込んだ。
するとワイルドボアはその場に倒れ込み、動かなくなったかのように見えた。
しかし、次の瞬間、異変が起きた。
ワイルドボアの額から巨大な角が生え、体長も2メートルから3メートルに変化していく。
「な、何これ……まさか、イレギュラー!」
リスナーたちも驚き、コメント欄が大騒ぎになる。
『花ちゃん、大丈夫!!』
『イレギュラーなんて初めて見た!』
『逃げろ、花ちゃん! あいつはキングワイルドボアだ!』
「みんな、心配してくれてありがと! でも、あーしは負けないから!」
キングワイルドボアとなった敵はさらに凶暴になり、角を振り回して攻撃してくる。
その角が地面を削り取り、周囲の木々をも切り裂く威力だ。
あーしはその猛攻を避けつつ反撃を試みるが、相手のパワーとスピードに苦戦する。
「こいつ、マジで強すぎるんですけど……」
その瞬間、あーしは決意した。
今まで隠していた奥義、〈
「もう、しょうがないな……ここでちょっとだけ本気出しちゃうか!」
あーしは深く息を吸い込み、集中力を高める。
全身が黄金色の光に包まれ、身体能力が数十倍に跳ね上がる感覚に満たされた。
その姿にリスナーたちは驚きと感動のコメントを送ってくる。
『すごい!』
『花緒ちゃん、何その技!?』
『これは……勝てる!』
「もちろん、勝てるよ! あーしの〈光気功〉の強さはパパも認めてくれたからね!」
全身が黄金色の光に包まれたあーしは、驚異的なスピードでキングワイルドボアに接近し、渾身の一撃を放つ。
ドオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッ!
その拳はまるで光の槍のように輝き、キングワイルドボアの巨体を貫く。
キングワイルドボアはその場に崩れ落ち、動かなくなった。
あーしは息を整え、画面に向かって微笑んだ。
「みんな、見てくれてありがと! 今日も楽しんでくれた?」
リスナーたちはその勇姿に感動し、コメント欄は大盛り上がり。
応援のメッセージが次々と流れる。
『花ちゃん、最高!』
『すげええ! 〈光気功〉、めっちゃカッコイイ!』
『やっぱり花ちゃんは最強のダンジョン配信者だ!』
配信が終わると、その映像はすぐにSNSや有名動画投稿サイトで拡散され、大バズりすることとなった。
「さあ、次はどんな強敵が現れるのかな」
あーしはウキウキと別のエリアに向かうのだった。
〈ギャル空手家・花ちゃんch〉
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