翌日、僕とレガロは小学校が見える丘の上の公園から、登校する児童たちを眺めていた。
僕は今回のことで小学生でなくなり、レガロは今日は非番だった。時間のできた今、事件の被害者生徒の様子を見ておきたかったのだ。
「山田くんも井口さんも、元気そうでよかった」
「あ、内海山先生もいらっしゃいますね」
「うん」
「……ルカが乗じたという、発端の彼女の不倫騒動については現在他部署の刑事が捜査中です。おそらく内海山先生にとっては、これから辛い時間が訪れてしまうかと思いますが……」
「そこについてはレガロとオルガレオに一任するって決めてるから僕に気を遣わなくていいよ。それに、これは彼女自身の問題だもの。僕たちが深く干渉することじゃない」
「はい」
事の発端となった先生の想い人との不倫騒動に関しては、警察に任せておけばいい。僕が手伝えるのはあくまで
「……うん。じゃあそろそろ行こっかレガロ」
「もういいんですか?」
「気は済んだから、いい! それより気になってたモーニングがあるんだ。そこに行きたい!」
「……はいはい。分かりました。仰せのままに、シュガーシュガー」
レガロの手を引く。柔らかな風がすぅっと僕たちの間をすり抜けた。
雲ひとつない空を仰ぐ。今日もこの町は平穏だ。