皆で隊列を作って狩りを始めた。
なにげに安定しているかな。
ケインさんが積極的に剣をふるうようになって良いね。
『イカズチの剣』は当たると電撃で敵を麻痺させるので、あたると美味しいね。
「バックアタック!」
後ろからオーガーが一匹襲って来た。
ニヤリと笑って奴は後衛の『サザンフルーツ』に襲いかかった。
まあ、ゴリ次郎が待ち構えているんだけどね。
ゴリ次郎は腕を振るってオーガーをぶっ飛ばした。
「ゴリちゃん!! ありがとうっ」
「次郎ちゃんは頼りになるわね」
ユカリちゃんに褒められてゴリ次郎は照れた。
前方のオークたちはケインさんとゴリ太郎によって倒された。
たおした魔物達を一纏めにして、魔力霧になるのを待った。
オークとオーガーは粒子になって消えていった。
代わりに紫色の魔力霧が発生して俺達の胸に吸い込まれていく。
魔石とドロップ品が落ちてきた。
オーク帽がドロップした。
ニット帽に豚さん風の耳が付いた物だ。
なんとなく、被ってみた。
「……、妙に似合うわね」
「素敵よ、ヒデオさん」
「ぷぷっ、可愛い」
意外に好評だね。
『オーク帽が似合うなあ』
『ヒデオっぽい装備だよ』
『オーク装備が日本一似合う男だなあ、ヒデオ』
オークさんの装備セットがあるのか。
揃えても良いね。
迷宮の暗い洞窟の中をライトを頼りに歩いて行く。
地下十階から下は半グレ勢が出てこないので大分良い雰囲気だね。
地下十階のワーウルフさんなんか、半グレが集まってクリアすれば良いのにと、素人考えでは思ってしまうのだけど、半グレさんたちだと、チームワークが悪いし、戦士と盗賊ばっかりなので、なかなかクリア出来ないらしいね。
とういう事でどうしても、六階から十階の間に半グレさんたちは溜まるらしいよ。
先行はムラサキさんで、前方を探りながら進んで行っている。
時々小部屋を開けて宝箱をチェックするのだけれど、十階台だとあまり残って居ないようだ。
「二十階台ぐらいだと、結構残っているんだけどね」
十階台は急いでフロアボスを抜けたパーティが習熟するので、宝箱は結構開けられているっぽい。
「まあ、十階台後半になれば少々違うかもね」
「宝箱は楽しみだけど、まあ、そんなに凄い物は出ないでしょ」
ケインさんがつぶやいた。
まあ、こいういう物は確率だから、最初から諦め無いで開け続ける事が大事だね。
ハイオークとか、ジャイアントバットとかを倒しながら十一階を抜けて行く。
ケインさんがレベルが高いし、ムラサキさんもベテランなので、安定した感じの狩りだね。
時々、ミキちゃんが『さちここばやし』を使って、『思いで酒』を歌って、オークを感動させて動きを止めたりしていた。
なかなか、良い感じで呪歌が通るね。
その分、目立つので敵が迫ってきたりしたが、まあ、ゴリラ達がやっつけるので何とかなっている。
『いいなあ、『さちここばやし』』
『呪歌の成功率と効果が上がるな』
『専用呪歌もあってすげえ』
「良いなあ、レアスキル」
「ネタスキルをあえて試して見る勇気だな」
「特定職業に効くスキルとかあるからなあ」
色々な条件とか、職業とか、スキルとかあって、迷宮は思ったより深くて広がりがあるね。
十二階を抜けて、十三階に下りた安全地帯で休憩だ。
『サザンフルーツ』もユカリちゃんも、俺にお菓子を沢山くれるので嬉しいが、あまり甘い物が好きじゃないので、わりと困るけど、食べる。
ムラサキさんもナッツバーを食べているね。
山下さんみたいに、ヤカンとコンロをもってきて暖かいお茶を入れるべきだなあ。
今度、買ってみるか。
だが、どこで売ってるのかな。
「ムラサキさん、山下さんが持っているような、コンロとかヤカンとかは、どこで買うもんですか?」
「山屋だな、アウトドアショップに売ってるよ」
ああ、登山用品なのか、今度行って買ってみるか。
「ヒデオ、お茶セット買うの?」
「お茶を出すのも護衛の仕事かなって思って」
「ちがうけど、まあ、やっても良いぞ」
「山下さんのお茶はありがたいよね」
アイドルの子たちは、お菓子とペットボトルのお茶をもって迷宮に来ているけど、人によって持ってくる物が違うんだよね。
お茶だけでも出すと、良いかもしれないね。
小休止を終えて、また狩りを始めた。
ジャイアントトードとか、アタックドックなどを倒して行く。
やっぱり、ケインさんの動きが良くなると、便利だね。
「構えが良くなると良く当たるじゃんよ」
「ああ、ちゃんとした構えが解ると当てられるようになるね」
「良い事だぜ」
ムラサキさんは、きゅっと笑った。
ハイオークから、【
「これで、ファイヤーボールと、アイスボール、ウインドカッターを手に入れたので、アースバレットが手に入ると、初歩投射魔術は揃うわね」
「魔術の
「いろいろあるから揃えるのが大変なのよ」
魔術師も職業として大変そうだねえ。