「て言うか、何で俺はテントの中に? 居たんだ・・・」
「あーんたねぇ、私が運んであげたんでしょうが」
ジョージは不思議がると、ミリカは怒った。
「感謝してよねっ! もう少しで朝日が昇る所だったんだからさぁ~~」
「そうか、それはすまなかったな・・・まぁ元はと言えば、お前が無理矢理酒を飲ませたり、さっきの起きた時にイタズラしてたのはアレだけどな」
ミリカが偉そうに言うと、ジョージはそう言って、彼女を胡散臭げな目で睨む。
「何よっ! その目はっ!? 疑っているの?」
ミリカは逆に、ジョージを睨み返す。
そして、ピリピリとした険悪な雰囲気が流れる中を、シャリルが二人の間に入る。
「ジョージ様、お姉さまが言っている事は本当です、お姉さまがジョージ様を運んで、私しはアレリオをテントまで運びました」
シャリルは冷静な顔で、ジョージを説得した。
「まあ、シャリルがそう言うなら俺を運んだってのも本当の事だろうな・・・」
「何で、私の話しは信じないで、シャリルちゃんの話しなら簡単に信じるのよっ!!」
シャリルから聞かされた話にジョージは納得するが、ミリカは怒鳴り散らす。
「さっきも言ったがお前、何時も俺に変なイタズラばかりしてるのに信じろってのがまず無理だろう」
「だってぇ・・・それはちょ~~っとした小さな可愛っ・・・」
ジョージは呆れると、ミリカは言い訳を言おうとする。
「酒を無理矢理飲ませたり、昨晩は子作りしていましたと、嘘をつくのが小さな可愛いイタズラだってか?」
「うっ! それは・・・その」
ジョージに言われ、言葉に詰まるミリカ。
「はあ~~、それより本題に入るぞ、今日は取り合えず夜だけど朝飯の準備だ?」
ジョージは長い溜め息を吐きながら、ミリカを余り責めず、次の目標の説明をする。
「えっ説明は? それに夜だけど朝飯って・・・」
「俺達はアンデッド、詰まり昼夜逆転生活の真っ最中だ・・・だから晩飯が朝飯だろう、そして夜食が昼食で、朝飯が晩飯って訳だ」
ジョージは、ミリカにそう話し。
アンデッドにとっては、朝飯と晩飯が逆転している事を納得させる。
「それに、この世界の説明の前に腹が減ってりゃ、説明されても頭ん中に入らんだろ?」
ジョージは鎧の上からお腹の部分を擦る。
「ああ~~そうねぇ? 私も何だかお腹がすいたわーー昨日の残りは・・・無いわよね」
ミリカは、昨日の残りは有るかと周囲に目を向けるが。
食べ散らかされた死体しか無かった。
彼らも、後でゾンビになるのかなと彼女は思う。
「てっ事で、皆で朝飯の獲物を探しに行くぞっ!」
「ジョージ様、獲物はどこで仕留めますか」
ジョージがそう言って進みだすと、アレリオが質問してきた。
「あーどうするかなあ~取り合えずそこら辺を歩けば何かは出ると思うけど・・・」
「昨日の山岳狼を仕留めた場所はどうですか? あそこなら狼の死肉を貪りに山ネズミや何かを仕留める事が出来るかも知れませんよ」
ジョージは頭を下に向けると、アレリオは彼に進言する。
「うんっそれだなアレリオの言うとうりに山岳狼の死体の場所まで行きますかぁ」
ジョージはそう言って先頭を歩く。
そして、ミリカ、アレリオ、シャリル達が後ろに続く。
アンデッドのパーティーは進み出す。
暗雲垂れ込める暗い夜空の元を・・・。