初日を乗り切り怒涛のゴールデンウィークは最終日を迎えた。
「あのー、すみません。」
「はい!何でしょうか?」
「この参考書を探してるんですが・・・。」
「こちらです!ご案内しますね!」
「どうもありがとう!」
本がどこにあるかも覚え、案内もできるようになった。
「平岡っち、もうベテランだねぇ~。」
「そんな、僕なんかまだまだだよ。」
「平岡君、もう慣れたかい?」
「店長!まぁまぁですね。」
「ほほー。仕事覚えるのも早いし、どう?今後もここで働いてみない?」
「うーん、そうですね。ちょっと考えさせてください。」
「うん!いいよ~!平岡君ならいつでも歓迎するよ~。」
「さっ、ゴールデンウィーク最終日、がんばっていこー!」
「エミちゃん張り切りすぎ~。」
「店長とお呼び!!」
もう最終日かぁ。
入野さんとのバイトの日々、楽しかったなぁ。
休みが終わった後も続けるか、か。
どうしようかな。
「平岡っち、バイトどうすんの~?」
「悩み中かな。入野さんはどのくらいでバイト入ってるの?」
「基本土日かな〜。たまーに学校終わった後、行ってることもある感じ~!」
「土日かぁー。土日ならいいかな。」
「おぉ!そんなにあたしと一緒がいいのかぁ~?」
「そ、そんなことないよ。」
いつも入野さんは僕の心を読んでくる。
土日もバイトに入るということは入野さんとほぼ毎日一緒にいることになるのであって・・・。
「ふーん。かわいい反応するじゃん!」
「またそうやって、からかう!」
「にひひひ〜!土日もバイト一緒だとほとんど毎日、あたしに会えるよ~ん!」
だから心を読まないでくれ〜!!
心臓が持たん・・・。
「ゴールデンウィーク、手伝ってくれてありがとね。まじ助かった!!」
「それに、平岡っちと一緒にバイトするの楽しかったよ~ん!」
「ひぇ?そ、その。僕もです・・・。」
「そ、そう、なの、か・・・。」
なんだ、この雰囲気。
なんで言った本人が照れてるんだよ。
こっちまで赤くなってしまうだろ〜!!
「入野さん!安藤先生のサイン、写メっていいかな?」
「うん!いいよーん!」
僕は記念に、希少な安藤先生のサインを写メった。
あと、入野さんが作った新刊コーナーも。
このPOP、入野さんって感じで、なんかいい。
「あー!あたしが作った新刊コーナーのところも写メったでしょ!」
「そんなに気に入ってもらえた?」
「う、うん!すごくいい!!」
「そ、そう?そんなに喜んでもらえてるとは思わなかった、かな。」
「もっといろいろみたいな!」
「あー!からかってるでしょー??」
「あーバレたか。お返しだよ!」
「でも、このゴールデンウィーク中、普段見れない入野さんを見れて、嬉しかったよ。」
「な、なんだよ〜!そんなこと言うのはずるいよ。」
あ、つい、言ってしまった。
「はいはい、そこの二人ー。じゃれついていないで仕事するー。」
「エミちゃん!じゃれついてなんか・・・。」
入野さんはさらに照れている。
そんな彼女から、僕は今日も目が離せない。