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さぁ、遊戯の時間です ~七人の神VS人類~
さぁ、遊戯の時間です ~七人の神VS人類~
月姫乃 映月
現代ファンタジー異能バトル
2025年04月16日
公開日
8,062字
連載中
今から十年前。突如として地球に降り立った七人の神。 その中の一人の神が口を開きこう予言した。 『我が名はユピテル。予言しよう。今から丁度百年後の今日、この地球は大規模な自然災害と同時、巨大惑星の衝突により滅びる。ただ一つこの星が滅びずに済むとすれば、我々神の力を使うのみ。ただこの星を救うほどの力を使うとなると我々のエネルギーの殆どを使う事になる。そこで我々がこの星を救うに値するのか試させてもらう事にする。もし人類が我々七人の神に頭脳戦で勝つことができればこの星を救ってやろう』 人類に与えられた時間は百年。それまでに七人の神との頭脳戦に勝利しなければ待っているのは人類の絶滅。 七人の神VS人間の頭脳戦。 『さぁ、遊戯の時間です』

プロローグ【七人の神】

 今から十年前。突如として地球に降り立った七人の神が居た。

 その中の一人の神が口を開いてこう言った。


『我が名はユピテル。予言しよう。今から丁度百年後の今日、この地球は大規模な自然災害と同時、巨大惑星の衝突により滅びる。ただ一つこの星が滅びずに済むとすれば、我々神の力を使うのみ。ただこの星を救うほどの力を使うとなると我々のエネルギーの殆どを使う事になる。そこで我々がこの星を救うに値するのか試させてもらう事にする。もし人類が我々七人の神に頭脳戦で勝つことができればこの星を救ってやろう』


 始めは誰も彼らを神とは信じなかった。

 何故なら彼ら全員の外見は人間と殆ど変わらなかったからだ。

 ユピテルと名乗る神は見た目中学生くらいの少女。誰も信じるはずがない。


『どうやら我々が神だと信じていないようだな。それなら我らの力を少し見せてあげるとするか』


 そう言うとユピテルは宙に浮き一瞬で天空へと消えていった。

 そして残った神が口を開いた。


『これで信じてくれたかな? そもそもウチらが神じゃなかったらこの状況を全国のテレビで映すなんて事できないでしょ。それで遊戯についてなんだけど~誰でもウチら神と戦うなんて事は勿論できないからね。遊戯ゲームの強くない人間と戦ってもつまらないし時間の無駄だし』


 そう言って神は手の平の上に小さな球体を創り出した。

 その球体は手の平に落ちることはなく、常に宙に浮いている。


『これはスフィア。このスフィアを手に入れた人間のみがウチら神と頭脳戦をすることができる。そしてもう一つ、ウチらと人間じゃ身体能力に圧倒的な差があるよね。だからウチらとの頭脳戦をする時は神の能力を人間に授けてあげる。でも十五歳から十八歳くらいの年齢じゃないと身体に負荷が強すぎて耐えられないだろうね。だからウチらとの頭脳戦をする事ができる人間の条件は十五歳から十八歳でこのスフィアを手に入れた人間のみ』


 そこで一人の人間が神に対して一つ質問をした。


「そ、そのスフィアはどうすれば手に入れれるのでしょうか……」

『うむ、簡単な事だ。君達人間同士で遊戯をしてウチらが決めた条件に満たした者にスフィアを渡してもらう。簡単に言えば大規模な遊戯で勝った者とかかな。そしてウチらと頭脳戦をしたい時はこのスフィアをここにはめ込むだけ』


 そう言って神は円状の石碑を幾つも創り出した。その中心にはスフィアをはめるための穴が複数開いている。


 そして神は声高らかにしてこう言った。


『さぁ人間の皆。遊戯の時間だよ!』





「これより第十回入学式典を開会する」


 総勢三千人の前に立つ一人の女性がマイクを握り、入学式典の開会を宣言した。

 今から十年前に東京、愛知、大阪の三大都市圏に各一校ずつ建設されたばかりの国が運営する学園。

 この学園は神々に勝つために作られた学園。

 そして国は神への一勝につき巨額の報酬を設定した。その額百億円。


「ここに居る皆は神との頭脳戦に勝利する事が使命だ。皆が知っている通り、神との頭脳戦に勝利した者は未だ一人と居ない。この中の生徒の誰かが神に一勝でも多く勝ち取ることを願っている」


 神との頭脳戦は一筋縄じゃいかない。十年という年月をかけても一人の神に勝つ事さえできていない。

 人類に残された年月は残り九十年。


「この学園では神が決めたルールに則り遊戯をしてもらう。先ほど配った端末に詳細を送った。それを見ながら聞いてほしい」


 言われた通りに端末を確認すると幾つもの項目が書かれた資料が送られてきた。


「まずこのレートシステムは学園で遊戯の強さを示すものになる。初期のレートは一律一万とされている。遊戯の成績によってレートの増減がされていく。そしてこのレートが百万に達した生徒はスフィア【レグルス】が与えられる。他にも月に一度行われる大規模遊戯での勝利者にも別のスフィアが渡される。どの神のスフィアが与えられるかは我々も分からない。そして紅羽悠斗あかばね ゆうと胡桃花音くるみ   かのんの二名は前に上がってきてくれ」


 俺――紅羽悠斗と隣に座る胡桃花音は立ち上がり、ゆっくりとホールの前まで歩いた。

 隣を歩く花音は緊張して小刻みに震えているのが分かる。

 まぁ無理もない。この場に居る三千人の視線が俺達に集中しているんだから。


「皆知っての通り、この二人のペアは入学試験で過去トップの成績で合格をした。その功績を神が認め、スフィア【シリウス】を二人に与えることになった」


 そう言うと女性教師は厳重に管理されたスフィアを俺と花音に渡した。


「それじゃあ紅羽、代表で一言くれるか?」


 そう言って女性教師は俺にマイクを手渡してきた。


「特に言う事はないけど……そうだな、手始めに花音と二人で『シリウス』に勝とうと思う」


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