猫神ルナはユニコーンに乗り、ドワーフの里へとやってきた。
この里は地中深くに作られており、岩壁に掘られたトンネルを抜けると、そこには灯篭が並ぶ広場が広がっている。
ファンタジー世界でおなじみのドワーフたちは、小柄で筋骨隆々……かと思いきや、何やら様子がおかしい。
「みにゃさん、ドワーフさんたちがいますにゃ!
ひげが立派ですにゃ!」
にゃん民: ドワーフキター!
にゃん民: 地下都市えぐい
にゃん民: なんか雰囲気重くないか?
ルナは配信を続けながら、ドワーフたちの集落奥へと進む。
しかし、近くで見てみると、ドワーフたちは目に光がなく、頬がこけている。
まるで長い間まともに食べていないかのような痩せ衰え方だ。
「えっと、どうしたんですにゃ?
ずいぶんお疲れのようですが……」
ルナが震える声で問いかけると、ドワーフの一人が弱々しい声で答える。
「魔獣が食べ物を奪っていって……もう7日も何も口にしてないんだ。」
「7日も……!?」
ルナは息を呑む。
栄養失調が深刻で、どのドワーフも歩くのもやっとという有様だ。
にゃん民: ヤバいって
にゃん民: 飢饉状態かよ…
にゃん民: これは助けなきゃ!
そんな中、古い同期である熊城なーべからコメントが届く。
なーべ: かわいそう…飢えの苦しみは本当に辛いよ。私の料理でみんなを元気にできたらいいのに
「なーべちゃん、やっぱり優しいですにゃ。
昔、オフコラボで特製鍋振舞ってくれたことありましたよねにゃ?
あれ、美味しかったにゃ……」
ルナは懐かしそうに目を細める。
にゃん民たちも「てえてえ」「いい同期関係だ」とほっこりしている。
その時、VTubeスタジオが淡い光を放ち、新たな通知を表示する。
「ハコ内コラボが可能になりました」
「ハコ内……コラボ……?」