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第7章:二体の巨獣、ただ一人の捕食者


シンジュウたちが一歩踏み出すごとに、大地が揺れた。両方のシンジュウ。巨大で異形の姿をした怪物たちは、黒い霧に包まれ、敵意に満ちたエネルギーが揺らめいていた。燃えるような目は、アレックスから決して離れなかった。


「お前、正気かよ!?」 まだ意識のある学生の一人が叫んだ。 「逃げろ!!」


だがアレックスは動かない。


彼は両腕を広げる。まるでシンジュウたちに「かかってこい」と言わんばかりに。


「さあ…なぜ俺たちがお前らを恐れるべきか、見せてみろよ。」


まるでその言葉が合図であるかのように、二体のシンジュウが同時に咆哮を上げ、彼に襲いかかった。一体は左から、もう一体は右から。その爪は呪われたエネルギーで光っていた。


一瞬で、アレックスにぶつかった――ように見えた。


だが、目に見えない衝撃が彼らの動きを止めた。


アレックスを包む紅のオーラが、静かな爆発のように弾けた。圧力の球が広がり、両方の怪物を数メートルも吹き飛ばした。土、岩、そして木々までもが巻き込まれていった。


アレックスは一歩も動かず、静かに息を吐いた。


「遅すぎる。」


一体目のシンジュウが技を使おうとした。口を開き、黒い炎のブレスを放とうとする――


だが、撃つ前に、アレックスはすでにその目の前にいた。


彼の目は真紅に染まり、紅蓮の力を纏った拳がシンジュウの顔面を貫いた。その一撃で粉砕された。


大地全体が震えるような衝撃波が走った。


怪物は崩れ落ち、のたうち回りながら、その身体は急速に崩壊していった。


二体目のシンジュウは怒りの咆哮を上げ、闇の触手を無数に放った。それらはアレックスを包み込み、まるで死の蜘蛛の巣のように彼を飲み込んだ。


学生たちは叫んだ。アレックスが闇に消えたのを見て。


「アレックス!!」 内気な少女が悲鳴を上げた。


だがその時――


闇の中から紅い光が爆発した。


その中から、紅の旋風のようにアレックスが現れた。彼の一歩一歩が、怪物の体を破壊していく。殴っているのではない。分解しているのだ。


クラス3のシンジュウは膝をつき、最後の呻き声を漏らし、完全に崩壊した。そこに残されたのは、宙に浮かぶ一つの黒いピラミッドだけ。


アレックスはそれを片手で掴み、まるで珍しい石でも拾ったかのように眺めた。


「チッ…もっと手ごたえあると思ったんだけどな。」


沈黙。


負傷した学生たちも、半意識の教官も、内気な少女さえも――何も言えず、ただ彼を見つめていた。


レイジは地面で震えながら、歯を食いしばっていた。


アレックスは皆の方を向き、そのオーラをゆっくりと消していく。


「何だよ。ピラミッドなしで戦える奴、初めて見たのか?」


そう言い残し、彼はまるで何事もなかったかのように戦場を後にした。



少女は言葉を失ったまま、その後を追う。


だが、彼女の頭の中では同じ言葉が繰り返されていた。


彼はいったい…何者なの…?


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