「あ・あ~。写ってるんかな? え~、始めまして、で良いんかな? あたしは宮崎
そこでひと息つくと、改めて語り始める。
「カレシは何かの、、、結界内で噂されてるEG使いのチームの人で、何やったっけ? サイ、サイ? 、、、まぁそこの上の人から言われて別のチームの人とおっきなケンカみたいなことを近々するみたいやと。妹が
少し、唇を噛んだ。
「殴られたそうです」
カメラを
その向こうに、
「何回も。何回も、、、」
また、大きく息をついた。
「怖くなって一度逃げ出して交番に行ったそうです。でもすぐカレシに見つかり、そん時に交番の人は殺されたと。二人も殺されたと、、、」
数秒、佳穂はその状況を想像したのか、無言が続いた。
改めて、画面を見た。
「こんだけ
そう言って、画面の中の佳穂は腕時計を見た。
「え~、夕方の4時16分、担当も三回変わり、その三人の人と代わるがわる話ししましたが話が全く前に進まんので、、、一人で大阪駅に来ました」
空を見上げる。
その時の事を思い出したのか、表情に悔しさが溢れている。
カメラを見た。
「あたし、これから結界内に入ります。結界の中がネットの噂通りやったら、多分あたしはすぐ殺されちゃうかも知れません。でも、そんなことより妹を助けたいんです」
その眼に、意志がハッキリと映っていた。
「無理かも知れんけど、、、無理やろな、、、多分無理」
でも、、、
「それでも、妹をほっといて何もせぇへんのは嫌なんです!」
誰に対して訴えてるのか?
観ている者すべてにか?
真正面から、カメラを見つめた。
「それに、結界の中では警察よりEG使いの方が強いって、、、好き勝手出来てしまうのんてありなんですか? 強かったら何しても良いなんて絶対おかしいです」
言って、震える。
「あたしは何よりも、妹がEG使いの男に捕まってるのが放っとけません。だから知らん人も、あたしの動画を観て
女の
「なんか支離滅裂で変な言葉使いになってしまってると思いますが、同じようにおかしいと言ってくれる人が出てくれれば、ちょっとでもおかしいって気持ちが広がれば嬉しいです」
、、、切実な思い。
最後に、こう言った。
「では、、、行ってきます」
そこで息を吐き、スマホの録画を止めたところで映像が切れた。