EG使いたちを捕獲(?)し、フツーの警察が来たのでそいつらに任せたと言い残しトンズラーしようとしてたら、楓から連絡が入った。
「何よ」
「何よちゃうわ。仕事やっちゅうぅねん」
楓と会話が出来てるってことは、さっき道路に捨てたヘッドフォンをしっかり回収したってことだ。
ルネ、エラいぞw
「え、マジ?」
「マジやマジ」
整った鼻孔が、ぷっくり
「頂戴。情報をちょーだい♡」
デンタイの部屋で起こった大下係長と波働課長のやり取りを
「や~~んw この
「何を観とんねん!」
「っさい! 言ってるでしょ、私はキレイなものが好きなの」
「はいはい」
いつものごとくアイドリングトークが終わって、やっと本題に入る楓。
「動画の
「そうみたいね」
「ウチはカメラで追うけど、ルネは取り敢えず1号線まで出て、そっから大阪駅向かってくれる?」
「おkマル」
「途中で確認出来たら、無線入れるし」
「そんじゃ1号線から、まずは桜宮橋に行くわね」
「うん、それで頼むで~」
ルネは早速、頭の中で地図を広げた。
ちょうど車で来た道を戻る
、、、が、もう車は使えない。
EG波が大量に発生し始め、エレクトリック・ゴーストが湧き出る時間だ。
チンクェチェントは
シートは絶対動かすんじゃないわよと、念入りに
さてさて、それじゃあ行きますかって歩き出したら楓の声が聞こえて来た。
「桜宮橋に着いたくらいに、一回連絡入れてや」
何で?
と思ったが、考えるの苦手。
悩む前に、楓に聞く。
「橋に着いたら、どうするって?」
「そこ通り過ぎて、東天満の交差点で一回連絡ちょーだい。それまでに映像の女の
そう言って返事を待つと、マイク越しに湿った音が聞こえた。
ルネが唇を舐めた音だ。
「邪魔するヤツが出たら?」
緊急事態だ。
ちょっとくらいのサービス精神を、楓は持っている。
「好きにしたらええ」
「YES!」
返事をすると、ルネは小さくガッツポーズ。
転倒したワゴン車を背に、京橋駅方面へ歩き出す。
すぐ右手に、京橋駅が見える。
そこを通り過ぎる時、頭上にはJR大阪環状線の線路が走っている。
全身に、
皮膚のブツブツが、気持ち悪くてちょっと興奮させる。
結界の中に入る瞬間の、この感覚が好きだ。
左眼が、熱い。
身体のいろんな場所が、疼く。
いつも、この瞬間は興奮する。
何せここから先はEG使いが相手、最悪の場合、殺しても仕方ないのだから、、、。