佳穂の理解度はなかなかに速い。
「ほんでな、そうやって大きなったEG波は何かのキッカケで、二つに分かれるんや」
「分かれる? 波長が二つに、、、?」
「ちゃうちゃう、EG波のタイプや。貪欲に負の波長を出している人間を求め
「あ、それってもしかして、、、」
「もしかして、何や?」
「浮遊霊タイプと地縛霊タイプに分かれるやつのこと?」
「正解や! ジブンよう解んな。詳しいやん」
「まぁ
照れながら、自慢の佳穂。
「エラいエラい。ほんでな、どっちも言えるんは引っ付いて大きくなると
「エレクトリック・ゴーストと呼ぶ!」
最後の決め台詞を、モノアイから佳穂が奪っていた。
「座布団持って来なアカンな。理解が早いわ」
「ま~ね~w」
と、髪をかき上げる。
「EG波が意思を持ってエレクトリック・ゴーストになったら、今度は
「お、本題っぽいやん」
佳穂、ちょける。
小さく笑い、モノアイが話しを続けた。
「関係の無い奴にでも取り敢えず嫌な事をして、“嫌な気持ち”とはどんなものかを“伝え”たくなりよる」
「それこそ
「何でなんやろな。何でなんかは知らんけどそうなんや。知能の低いエレクトリック・ゴーストは小学生のイタズラ程度。電気体やから触れて
「痺れさせられる時点で嫌やわ」
「そやろ? “嫌な気持ち”になるやろ? それがどんどん重なって大きなって、ちょっと考えることが出来るようになりよんねん」
「!」
「やられたら“嫌な気持ち”になる事を、喜んでするようになりよんねん。そうなるとな、人が“嫌な気持ち”になった顔や態度を見せると嬉しそうに鳴き声を上げよんねん」
「鳴き声、、、?」
「そや、キキっ、とかギャアとか、
「怖っ、、、」
「ま、そんな奴らの集りやから、油断してたらドンドン悪さしよる訳や」
少しの
ちょっと考え、やっぱ聞く。
「悪さって?」
「分からんか? 走ってる車をぶつけたり、勝手に電気もんの操作したり。しゃーから家電量販店は全ての電源を落としておかんと、次の日出勤したらエラい事になっとる」
「
「アホな事言いないな、大迷惑やで」
「てへ」
「電気もんは家電量販店に限らず、一般の家でもコンセント繋がっとったらやられる。電池で動くもんもやられる。結界内では夜、機械は絶対通電しないようにしておくのが常識になったわ」
「大変やな」
「メチャクチャ大変」
あれ? CP関係は? と聞こうと思ったがその話題をスルーさせるほど、モノアイから興味を惹かれる話しが続いた。
結界の外では知ることが出来なかったであろう話しだ。
「でな、本来は
「ええ? どゆこと?」
佳穂にしてみれば、マジで意味不明。