どこからとなく『おお~~』と野太い歓声が上がり、歓喜の
半分は、その役が自分で無くて良かったという感情だが、それを表に出す者は居なかった。
もう半分は、アイツに出来るんか? という
そんな眼で見られていた高岡本人は?
肩を叩かれた事それだけで、サイラーが自分を認めていると感動すら覚えた。
、、、が、これは全てナンバーツーの
気付かないまま、ここ最近何の役にも立たないEG使いと影で噂されている、“10センチの爆弾”こと高岡聡介は命を掛けることになった。
そして今、、、。
あの後、詳しい事はナンバーツーの三織優希から聞け、とサイラーに言われたが別に詳しい事なんて何も無い。
とにかく、通天閣のモータルフラワーを25号線側に
やり方もクソも無い。
確か三織は、サイラーのブレイン。
皆から“参謀”と呼ばれてるのに、、、
「やれ」
この
最悪だ。
三織は高岡に、さらにこう言った。
「こっちの準備が整ったらGOサインを出すから、それまでに準備しとけ」
絶望だ。
完全に、そっち次第じゃないかと
『やります』と返事をしてから、
その間に女が逃げ出したり勝手にスマホを使われたりして、個人的にも大変だった。
作戦は、、、?
何も浮かばない。
浮かべようとも、無理なのだ。
あの、モータルフラワーを
絶対殺される。
動物園を抑えて、さらに通天閣周辺も
殺されるイメージしか浮かばない。
高岡の頭は、自分の死で埋められていく。
あの後に一度だけ、サイラーに呼び出された。
「期待してるぞ」
と言われた。
「上手いことモータルフラワーを誘き出したら、10階に住まわしたる」
と言われた。
チーム内での、出世だ。
期待されている。
でも殺される。
頭が変になりそうだ。
だから、なにも浮かばない。
浮かばないので、高岡は丸投げしてみた。