ばーちゃんの声が
「浩介~ 朝ごはんだよ~」
僕は女の子にしっかりと言い付ける。
「よっしゃ。ばーちゃんにちゃんとあいさつすんだぞ」
「うん。わーい、ごはんだ~」
ごはんへの期待で尻尾が全開で振られていた。やっぱりこの子は
「ばーちゃん、紹介するよ。この子…… えーと」
あー名前どうしよう。名前が無い。ロクセットって言う? 今のばーちゃんなら
「あら~ 可愛い子。あなた
ばーちゃん……、千里はあんたの娘であり僕の母さんだ。こんなに若くはないぞ。本当の千里はもうアラフィフだ。韓国ドラマが好きなおばさんだ。
「千里、早く食べなさい。良かったわ~ 最近見なかったからどこに行ったのかと心配していたのよ」
「あなた、どちら様?」
ばーちゃんが僕に向かって変な事を言う。
「へ?」
「あの~、どちらの方?」
ばーちゃんは
「浩介だよ。浩介!」
「うちにそんな子はいません。気味が悪い」
孫だよ~。ばーちゃん頼むよ~
さっき「浩介~」って呼んだじゃないか。
そんな様子を見て、千里(祖母命名)が助け船を出してくれた。
「おば……お母さん。浩介は私のボーイフレンドよ。ごめんなさい、図々しくて。ほら浩介、あいさつして!」
千里(祖母命名)、お前機転が利くなあ。涙が出てきたよ。
「あ、あの初めまして。私、
「こうすけ? 確か千里の旦那は
ばーちゃん、春樹は僕の父親だよ~。ややこしいなあ、しかも泣けてくる。
ロクセット、いや千里(祖母命名)が耳元でささやく。
「もう、春樹でいいじゃない。早くご飯食べたいよ~」
はい。じゃあ。
「ばーちゃ……お
「ああ、ようやく何かしっくりきたわ。春樹さん、ずいぶん若くなったわね~ どうぞ
カオスだ。ばーちゃん、ついには「チーちゃん」って呼んでるよ。どんだけ記憶が
「いただきまーす」
ロクセ……千里が笑顔で朝食を食べ始める。食べるのが速い事、速い事。
とにかくばーちゃんにより女の子の名前が決まった。
(よりによって母親と同じ名前なんて……)
<< 第6話に続く >>
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作者です。えーと、わかりましたでしょうか?
祖母(まち:命名奇蹟さん)以下の関係は下の様になります。
ばーちゃん=まち(75)
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千里(50母:本物)- 春樹(父)
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坂井浩介(19) - 千里【チー】(17? 新妹:元ロクセット)
痴呆症のばーちゃんは、女の子のことを娘の千里と勘違いしたんですね。20~35年ほど前の記憶がよみがえり混ざっちゃったんです。そのため浩介を千里の旦那、春樹だと思い込みました。
(ばーちゃんの中では孫・浩介は一旦消滅です w)
これ、しばらく続くので混乱しませんように
以上!