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ジュリアナちゃん ゲロリストになる♡

4ゲロ ここでギャグ小説書いてもモテないからモテ目的の野郎は止めとけ!…ライバル増えるし

 「そろそろ家に帰らないと。ジュリアナちゃん、元に戻れないの?」


 [いいよ。〝変身解除魔法汚いオッサンにな〜れ!〟]


 ジュリアナが魔法を唱えた直後、陣生(魔法少女)の全身が一瞬輝き、彼は元の薄らハゲで小デブの45歳量産型オッサンの姿となった。


 「戻れた。……ジュリアナちゃんさ、今さり気なく〝〟って言ったよね?」


 [えー!だって、陣ちゃんハゲかけてるし、お腹も膨らんでるじゃん!〝汚い〟って言われるの当たり前じゃない!って!キャーハハハ!]


 「そこまで言わなくてもいいじゃん!当たってるだけに言い返せないから、オッサン泣いちゃうぞー!あ!そうだ!」


 陣生は、自分の股間を触った。


 [陣ちゃん!1番汚い所を触んないでよ〜]


 「よかった!……さっきの悪の魔法少女が再び現れたらどうしよう?」


 [そしたら、〝悪臭吐瀉物魔法クサゲロプ〜ン〟を使えばいいじゃん!きっと、またゲロ吐いて逃げ出すって!アハハハ!]


 「え?それは少し可哀想じゃない?それに、どうやってジュリアナちゃんの姿に変身が出来るの?」


 [陣ちゃん、お尻のポケットに手を入れてみ?]


 ジュリアナに言われた通り、陣生はポケットに手を入れる。入れた覚えの無い〝コンパクトのような物〟に触れた。


 (おお!この感触は魔法少女アニメにお約束の変身コンパクトか!きっと、ハート型の可愛らしいデザインなんだろうな〜♪)


 陣生は、ワクワクしながらポケットの中の〝ソレ〟を取り出した。


 「な、なんじゃあこりゃああー!!」


 〝ソレ〟を見た陣生は、まるで〝ジーパンというアダ名を付けられた刑事〟のような雄叫びを上げる。


 何故ならば〝ソレ〟はであり、彼の想像していた魔法少女らしさの欠片も無かったからだ。


 [ワチキの姿に変身したい時は、そのコンパクトを使って!あ、そうそう『オエ♡オエ♡ゲロッチャウー♡』って呪文を唱えないと変身出来ないからね]


 「ちょっと待てーい!ツッコミどころ満載なんだけどー!何で変身コンパクトが〝ゴリラがゲロ吐いてる〟デザインなの?それに変身呪文が『オエ♡オエ♡ゲロッチャウー♡』って何だよ!?どこまでゲロ要素を入れてくるんだよ!少しくらい魔法少女っぽい可愛らしい要素があったっていいじゃないかー!」


 [もう、いちいち細かいなー。コンパクトのデザインは仕方ないよ。ワチキの封印が解けたんだから。変身呪文もコンパクトに合わせて決めちゃったもーん♪]


 「何?その理由!ゲロはともかくとして、俺のイメージってゴリラなの?ひど過ぎない!?呪文のセンスも無さすぎだー!……はあ。こんな時間に、こんな所でツッコミ入れるのも疲れた。家に帰ろっと」


 [そうそう。ワチキも疲れたし早く陣ちゃんの家に連れてってよ♪]


 ……それから、約90分後。現在の時刻は深夜1時45分である。


 帰宅した陣生は、ズボンとジャケットの背中にジュリアナが直撃した時のゲロが付いてたので、詩乃夜しないよに『臭いわね!』と文句を言われたが、給料袋を渡して何とか許してもらう事が出来た。


 そして、陣生は家族が寝静まったのを見計らって、台所で〝おろしにんにくのチューブ〟を直飲みしていたのである。


 (ジュリアナちゃんに俺の〝精気〟を分けなきゃいけないから、少しでも〝精〟を付けておかなきゃな)


 「陣生?そんな所で何してんのよ?」


 物音で目を覚ましたのか、台所にやってきた詩乃夜が彼に声をかける。


 「あ、いや、こ、これは」


 「どうして、おろしにんにくのチューブなんか持ってんの?」


 「あー、精力を付けようと思ってさ!あ、アハハ!」


 彼女の質問に対して、陣生はそう答えた。


 その時である!詩乃夜の目付きが急にエロい感じになり、体をクネクネさせながら陣生に擦り寄ってきた。何か発情期っぽいスイッチが入ったに違いない!多分、そんな気がするのだ!


 「詩乃夜?どうしたの?」


 「ウフフ♡精力を付けて〝どうするつもり?〟良いわよ!今日は給料日だし、ご無沙汰だったしね♡」


 そう言うと、彼女はパジャマを脱ぎ捨て、ブラとパンティの下着姿になった。


 (いや、そういう意味じゃなくて!でも確かに、しばらくぶりだし、たまには張り切っちゃおうかなー♡)


 「さあ陣生!寝室に行きましょ!グフフ!ハァハァ!」


 飢えた獣のように息を荒くさせた詩乃夜が、陣生の左手を握ってきた。


 その瞬間、、詩乃夜の〝チン〟に強烈なストレートパンチをかましたのである!


 〝バチコ〜ン!〟


 「イノキボンバイエー!」


 〝顎が特徴的な燃える闘魂レスラー〟ファンのような悲鳴を上げて吹っ飛んだ彼女は、冷蔵庫の角に頭をぶつけるとM字開脚のポーズで、白目を剥き泡を吹いて気絶してしまった。


 「お、おい!大丈夫か?な、何で右手が勝手に動いたんだ?も、もしかしてジュリアナちゃんの仕業か?」 


 [そうだよ!]


 彼の脳内に眠っていたかと思われたジュリアナの不機嫌そうな声が聞こえた。


 「ちょっと、何してくれてんのー!?」


 深夜の火廊家の台所に、陣生のツッコミの声が響き渡る。



 [陣ちゃんこそ何考えてんのよ!こんなババアとエロいことして〝精気〟を使ったら、ワチキの吸精吸い取る分が減るじゃない!]


 「い、いや、それは……。ともかくマズいよ!目が覚めたら、俺が殺されちゃうよ!」


 [大丈夫だって!このエロババア、んでしょ?今〝チン〟に入れてやったから、望み通りになったじゃない♡]


 「チンチン違い……じゃなかった!それは、〝チン違い〟だー!」


 その時、背後に視線を感じたので、陣生は振り返る。


 長女のしきが、彼と下着姿でM字開脚ポーズのまま気絶してる母を見て固まっていたのである。


 「し、式?ち、違うんだ!こ、これは……」


 「きゃあー!パパとママ、いい歳してるくせに、どんだけ刺激に飢えてんのよ!?これで弟か妹産まれたら「あんたは台所でパパとママが〝なかよしクッキング〟した時にデキたのよ♡」って言わなきゃいけないじゃない!……っていうか、式の嫌ぁぁー!」


 「プレイじゃねーよ!14歳なのに想像力豊か過ぎるだろ!オイぃぃぃー!パパ何か悲しいぞー!あと、嫌だって思うなら言わなきゃいいだろうがぁぁあー!!」 


 第2章の1話目にして、早くも家庭崩壊の危機である!


 どうする陣生?この続きは次話を待て!



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