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第11話 デートってなに?

週明けになり無事にレポートを提出した。課題が終わると肩の荷が下りて清々しい気分だ。

入れ替わりに安田もやってきた。無事に安田も終わらせたようだ。


「あ、安田も終わった?」


「ああ、土日で一気に終わらせた。あ、そうだ。今日ヒマ?」


「ん?空いてるけどなんで?」


「この前さ、どこか行こうって言ったけどこのあと飯食いながら探さない?って言っても俺金欠だからあんま大したとこ行けないけど。」


「それなら私のバイト先の居酒屋行く?」


「じゃあこのあとの講義終わったらそのまま行くか。」


テンポよく予定が決まる感じが好きだ。「今度空いてる?」から始まり、時間や場所、他の人を誘うか否かに何往復もやり取りするのは煩わしい。

会話の中で流れるように決まっていくと波長が合う気がして好感が持てる。



☆☆☆


「いっらっしゃいませー。あ、朱音ちゃんじゃん。今日はお客さん?」

バイト仲間で2個上の片岡さんが対応してくれた。


「はい、2人でいいですか。」


「はいよー。どうぞ。」


席に着きレポートが終わった記念にウーロン茶で乾杯をする。

「やっと終わったー。なんか今日は終わって気分いいから騒ぎたかったんだよな」


「分かる、なんか清々しい気分でちょっとはしゃぎたかった。」


特に意識していなかったが、シェリにデートと言われたことを思い出した。


(あれ……?今日のこれってもしかしてシェリの言うデート??)


「ねえ?これってデート?」


「ぶっっ、なんだよ急に。」


安田は飲んでいたウーロン茶を口からこぼしそうになり慌てておしぼりで拭いている。


「いや、男女2人で出掛けたらデートになるのかなって。」


「デートの場合もあるし、気の合うやつがたまたま異性だったってこともあるんじゃねーの?」


「そうだよね。安田はこうやって他の子とも来たりするの?」


「いや、あんまりないけど……」


「ふぅーん、そうなんだ」



私は頼んだ枝豆に手を伸ばしながら話を聞いていた。デートと言われて意識していたが、安田も同じ認識で安心した。


「え……?今の話題、これで終わり?」

安田は拍子抜けしたかのように聞いてくるのが不思議だった。


「え?話したいことがあるならどうぞ」


「いや……ないけどさ、突然デートって聞いてきた割にはあっさり話題終わったなと思って」


特にそれ以上は安田が言及してこないので私たちは、頼んだ品を食べつつ色んな話をした。



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