現代転移三好長慶〜一門と天下取っても影薄いってまじ?〜
添寝型えにぃど
現代ファンタジー都市ファンタジー
2025年04月23日
公開日
10.1万字
連載中
【ネオページ書き出しコンテスト1 1次選考通過作品】
【しばらく不定期更新です】
__三好長慶という人物をご存知だろうか?
天文18(1549)年、細川家から独立した三好家は、江口の戦いによって当時の細川家有力者である細川晴元と、足利家次期将軍の足利義藤(後の足利義輝)を近江国(後の滋賀県)に追放した。
その後天文19(1550)年、長慶打倒のため挙兵した足利義藤を撃退した。
その後天文21(1552)年に、改名した足利義輝と和睦し京に迎え入れ、同時に細川氏綱も京に迎え入れることで政治の実権を掌握した。
後に三好政権と伝わる政治体制の完成だった。
このことがきっかけで三好長慶は、「戦国最初の天下人」と呼ばれる程になる。
しかし永禄4(1561)年、長慶含めた4兄弟のうち三男の十河一存が病没してしまう。
立て続けに永禄5(1562)年、三好義賢(実休)は不運にも流れ弾を受け討死してしまう。
残された嫡男義興と、最も優秀な家臣である松永久秀と残された最後の弟である安宅冬康らは各地で奮戦するも、永禄6(1563)年、義興も何らかの理由により突如若くして亡くなってしまう。
相次ぐ血族の死により陰謀への疑心暗鬼に陥った長慶は、義興の没した翌年である永禄7(1564)年に安宅冬康に切腹を命じそのまま病没してしまう。
そんな長慶は、これまで自らがしていたことに対して黄泉に没してもなお憂いていた。
「私が一体何をした? 恨みを買うような真似をしたか?」
自らの死に納得がいかない長慶は、自らが死ぬ前に"せめてもっと報われる世界ならば"と天に願っていたのを思い出す。
するとどうだろう、目が覚めれば黄泉だと先程まで思っていた場所は我らが日本ではないか!しかも現代の。
死装束を見に纏ったままの長慶に、無情にも掛けられる
「貴方、どちらさまで?」
この瞬間、長慶は年甲斐もなく悲痛な叫びを上げたという……。
これは、自分よりも織田信長のほうが天下人として知られてることに納得がいかない三好長慶の苦悩と奮闘を描くギャグシリアスコメディである。
第1章 時間は残酷、ということ
第1話 戦国最初の天下人、報われず