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新生活

だめ押しのように言ったあの言葉で多佳良たからは折れた。


週末に荷造りの手伝いに行く

約束をしてあの日はとりあえず帰って来た。


二人に報告すると大喜びだった(苦笑)


俺以上に喜んでないか?

と思う程だった。


そして、今日は約束の週末。


本格的な引っ越しはまた、後日にするとして

必要最小限の物だけを運ぶとにした。


元々、部屋は余ってたから

そこを多佳良たからの部屋に割り当てることにした。


俺の部屋の隣だ。


『改めて、蒼介そうすけさんの部下で恋人の

裃多佳良かみしもたからです。


お世話になります。


よろしくお願いいたします』


緊張しているのが隣にいてわかる。


綺麗なお辞儀をしているが手と声が震えている。


「そんなに畏まらなくて大丈夫よ」


妻も遙壱よういちも家族会議をした日と同じように笑顔だ。


『ほら、二人は俺達を受け入れてくれてるって言っただろう?』


震えている手を握ると少しだけ緊張がほぐれたみたいだ。


「仲良しで嬉しいわ、遙緋はるひさんって呼んでね。


後、敬語はなしね」


語尾に音符が付きそうな程弾んだ声で言う妻に

俺は内心で苦笑した。


「じゃぁ、俺のことは

遙壱よういちでいいよ、同い年だしな」


俺達は幸せだよな。


『わかった、#蒼介__そうすけ__#さんに対して敬語は

外せないけど二人には頑張って……みる』


今日は多佳良たからの歓迎会ってことで

遙緋_《はるひ》はかなり張り切ったらしく

何時も以上に豪華な料理が食卓に並んでいた。


『張り切り過ぎだろう』


「あら、家族が増えるんだから

これくらい、豪華にしなきゃ」


俺の抗議の言葉もなんのその。


昔らから勝った試しがない。


『それもそうだな』


祝い事は豪華に。


翌日が休みってことで四人でかなり遅くまで飲んだ。

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