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[家族]のかたち

今日は月曜日。


『おはようございます』


部長や課長に休んでいた間の詫びをして

自分の席に座ってすぐに裃が出社してきた。


『おはよう。


今夜、話したいことがあるんだが空いてるか?』


土日に家族で話し合って二人が

俺達のことを認めてくれたことを話したい。


『大丈夫です』


よかった。


୨୧┈┈┈୨୧


『お疲れ様です。


退院、おめでとうございます』


何時も来る居酒屋の奥の席で俺達は話し始めた。


『お疲れ。


ありがとうな』


飲み物とつまみが来たところで俺は話し始めた。


『話なんだが、二人が俺達の関係を

認めてくれてだな、お前もうちで一緒に

住まないかと言い出したんだ。


多佳良たから、一緒に住まないか?』


突拍子もない話だし俺も最初は驚いた。


だけど、チャンスだとも思った。


世間から見れば可笑しな関係だろうけど

当人達が決めたこと

多佳良たからの返事は聞いてないが)を

他人にとやかく言われる筋合いはない。


『駄目か?』


半分、すがる思いで

多佳良たからの返事を待った。


蒼介そうすけさん』


呼ばれたが黙ったまま次の言葉を待つ。


一昨日、〚同意してくれるといいわね〛

と言った妻の笑顔を思い出される。


『お二人がそう言ったんですか?』


『笑顔でな。


俺も伝えた時に泣き叫ぶか怒鳴られるか

そういう類いの感情をぶつけられるかと思って

覚悟していたんだが正反対のことを言われたし

あの四人で食事に行った時、

多佳良たからの気持ちに

気付いていたらしい』


ポカーンとした表情かおのまま一分程硬直していた。


どうすれば戻ってくるか……


普通に呼んだだけじゃ駄目だな。


う~ん。


『〚多佳良たから、愛してる〛』


病室の時と同じように耳元で囁くと驚いて戻ってきた。


当たりだな。


そして、すかさずもう一度、訊く。


『一緒に住まないか?』

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