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龍也ん家・②

今日は久々に来た龍也の家で一年前の話しをしていた。


結構長い話しだし時計を見れば、話し出してから三時間は経ったていた。


「これが、俺達の付き合い出したきっかけだ」


話してる間、龍也は俺の袖をギュッと握っていた。


桜香や李雄先生に軽蔑や同情の言葉を言われるのが恐いんだろう……


二人がそんな人達じゃないと頭で分かって居ても恐いものだ……


沈黙の中、口を開いたのは桜香だった。


「龍也先生」


ビクッと龍也の肩が跳ねる。


「頑張ったんだね」


うん、桜香ならそう言うと思った。


「透に会うまで一人でずっと頑張ったんだね」


同じ言葉を繰り返す。


「桜香君」


「僕なら、きっと耐えられない。


辛い事なのに話してくれて有難う」


優しい笑みを浮かべた。


「話したのは私じゃなく透です」


幼なじみだけに次に言うだろう言葉が予想できる。


「どっちが話したとかじゃなくて

そんな辛い話しをしてくれて有難うってことだ」


先に答えたのは李雄先生か。


桜香も同じことを言っただろうけどな。


「良かったな」


未だに俺の服を掴んだままの手に自分の手を重ねるて握った。


「はい」


「龍也、ゴメンな」


李雄先生が謝った。


「何故です?」


「気付いてやれなかった」


悔しそうな顔をする李雄先生。


「いいんですよ、もぉ、昔の話しですから」


「それよりも、今は国光先生をどぉするか考えましょう?」


「だょな……」



李雄先生が盛大なため息をついた。


「国光先生に追いかけられる様になってもぉ、半月だよね?」


「あぁ、言ってなかったが此処一週間は家にまで来る様になったんだ」


そりゃもぉ、ストーカーの域だろ!?


あまりの衝撃的事実に龍也と桜香は放心状態だ。


「今、考え中なんだ……」


「うちに泊まりますか?」


不意に龍也が言った。


「いいのか?」


友人とはいえ、躊躇するよな。


「はい、李雄が良ければですけど」


俺はいいと思う。


「僕も安心だし当分、龍也先生ん家泊めてもらったら?」


「今日も家の前に居たから裏口から出て来たんだ」


うわぁ~


「それは、大変だったな」


同情したくなる。


「全くだ」


放心状態から戻って来た桜香が心配そぉな顔をして居た。


「明後日から学校行くのにどぉするの?」


だよな……


「此処から通えばいいんですよ」


龍也らしいな。


「迷惑じゃないか?


俺、料理とか出来ないし」


「それは、私がやりますから大丈夫ですよ。


それに、迷惑だったら最初から言いません」


そりゃそうだ。


「桜香君もこぉ言ってますし当分は此処に居て下さい」


「でも、着替えとか持って来てないし……」


「取りに帰って国光先生が待ち伏せしてたらどぉするんだよ」


遠慮する李雄先生にわざと訊く。


「それは嫌だな……」


だろうな。


「でしょ?」


桜香にも言われている。


「着替えも私のを貸しますから心配しないで下さい」


「じゃぁ、お言葉に甘えて……


有難うな」


「どういたしまして」

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