僕があっちの世界の僕に会ったのは半年前の事だった。
名前が被るから僕は「マコ」と呼んでいる。
マコは二ヶ月程こっちの世界に居た。
マコが向こうに帰れたのは先月のことだった。
それも突然僕が学校に行っている間にだった。
部屋に入るとマコは居なかった。
出掛けてるのかと思いさほど気にしていなかった。
しかし、カバンを机に置く際に
見慣れた封筒があることに気付いた。
それは、僕のお気に入りのレターセットの中の一つだった。
自分と同じ字で
『御調諒様』と書かれた封筒を手に取り、丁寧に開いた中からは
封筒とお揃いの二枚の便箋が出て来てた。
便箋にはこう書いてあった。
『御調諒様
諒が帰って来る頃には僕はもぉ
この部屋と世界に居ないから諒のレターセットを
勝手に使って手紙を書く事にしたんだ。
最初は自分がもぉ一人居て驚いたし
変な感じだったけど楽しかったそっちの父さん達は
仲がいいみたいで少し羨ましかった。
多分、もぉ会えないけど本当に楽しかったよ
ありがとう。もぉ一人の御調諒より』
読み終えた後、僕は泣いた。
たったの二ヶ月だったけど双子の兄弟が
出来たみたいで楽しかった環境が違うせいもあって
同じ二人なのに性格は少し違ってた。
あれから半年母さんと二人暮らしのマコが
元気にしてるか心配だ……
こっちは父さんも母さんも
仲よしで、よく三人で出掛けたりするけど、
マコは家族旅行もした事ないって言ってたなぁ……
無理してないかとか 風邪ひいてないかとか
心配だなぁ……