スマホに追加された新機能で何とか朝食を注文し、食べ終えた俺とミミは倉庫に向かっていた。その途中でミミが俺に話しかけてくる。
「それにしてもユーイチ様、いつの間に文字の勉強をしてたんですか?おしゃべりはできても字が読める様子ではなかったので」
「実はまたスマホに新しい機能が追加されてその機能で俺の世界の言葉に翻訳できたんだ」
「そうなんですか、じゃあまだ文字は読めないんですね」
「そうなんだ、ミミまた仕事の合間でいいからこの世界の文字の読み方を教えてもらっていいか?」
俺の懇願に対しミミは笑顔で応える。
「いいですよ、私でよろしければ」
「ありがとう、さあ、今日は倉庫を診療所に改装するぞ」
「はい」
気持ちがはやってきた俺達は駆け足で倉庫にたどり着き、中に入ってレイアウトを考えていた。
「やっぱり治療用の椅子、それから重傷者に寝てもらうベッドは必要だな」
「そうですね、あと、こちらで寝泊まりされるならユーイチ様のベッドも必要ですね」
「それなら、寝室も作らないと、さすがに診療室と俺のプライベートルームは分けないとな」
ああでもないこうでもないと互いに意見を出し合いながら、とりあえず俺達は外に出て土のある地面にちょうど枝があったから、簡単ではあるがレイアウト図を書いてみた。
とりあえず、診療室と俺の寝室の2部屋にするが、できる事なら衛生面も考えると風呂、トイレ、手洗い場が欲しいな。しかしそこまでの設置は難しそうだ。とりあえず、この街の地図を見て文字を翻訳したところ、公衆のトイレ、まあ水洗ではないけどあるようだし、公衆浴場、元の世界でいう銭湯のようなものだ。井戸から水を定期的に汲むしかないか。
あとキッチンが欲しいな。あとでダンカンさんにお願いしてデザインの参考に見せてもらおう。
まずは俺達の仕事場から設置するか。
「ミミ、とりあえずダンカンさんから使えそうな道具を借りて使えそうな資材がどこにあるか聞いてみようと思うから一緒に来てくれ」
「はい」
それから俺達はダンカンさんから道具を借りて資材の売っている場所を聞き、少しづつ自分達で運びながら作業をしている。
まさかこんなところでガキの頃に親父と一緒にやっていた日曜大工、いわゆるDIYの経験が役に立つとはな、ミミもゴミになった資材を片付けてくれるし、本当に助かっている。しかしさすがに2人だけでは時間がかかりそうだな。
「おおーー!
「ダンカンさん、だけど2人だけじゃやっぱりきつくて」
「そうだろうと思って、街の若い衆に声をかけておいたぜ」
ああ、すごい!街の若者が俺達の作業を手伝ってくれるんだ!でも何故なんだ?