LWOの面々と月下は食事を終えるとローズマリーが動く。月下の前に立ち、無言でにらみつける。月下はその視線にたじろぎながらもローズマリーを見下ろす。
「な、なんだ?」
「あなた、死相が出ています。」
その言葉に月下は首を傾げる事しかできずに距離を詰めてくるローズマリーに気圧されて近くの椅子にしりもちをつく。
「何を言っているんだこいつは……」
「あなた、LWOに入りなさいな。そしたら死からだいぶ離れることができるわ。」
月下は大きくため息を吐きながら立ち上がりやっとローズマリーを押しのける事ができて事務所のドアへ向かう。ローズマリーは残念そうに視線を向けながらも手を振って見送った。会話を見ていた残りの一同はローズマリーの方へ集まる。
「死相って……占い師にでもなったのかい?マリィ。」
「いえ、彼女の顔はお父様のような顔をしていたので……」
「そっか~…死にそうな人の顔ってことか~……あ、僕もう時間だ。」
カラスマはあっけらかんと言うとドアを開けて事務所から体を半分乗り出した状態で驚く一同へさらに驚く一言を言って事務所を出ていった。
「僕、今日から一週間くらいいないからよろしくね~あ、顕現は八雲とマリィに預けたから困ったら二人に相談で~」
一同がポカンとしていると、足音が戻ってきてカラスマが顔を出す。
「そーそー!僕の部屋には入らないでね~。あと、システムに異常があったら、そこにある電話番号から僕の友人に電話して対応してもらってね~」
再びばたんとドアを閉めるとそのまま足音は遠くへ消えていった。
「珍しいな…カラスマが一週間も出るなんて。」
八雲がつぶやきそのまま食器を片づけ自室へと戻った。その後、ローズマリーは会社を回ると言って事務所を出て一階の事務所には一狼と大沢と櫻井が残った。今までの様子を見て大沢は近くの筋トレマシーンへ座り筋トレを始める。
「これから一週間暇になるな。」
どういうことかと一狼は櫻井を見る。櫻井は小さくため息をつき本を開き説明する。
「この会社は大体カラスマさんが営業とかして回しています。大体顧客へ電話して予約とかなんとかを管理しているのもカラスマさんなので私たちは何もしなくていいんですよ。私、部屋に戻るので読書の邪魔しないでくださいね……」
櫻井は説明を終えるとそのまま自室へ向かい、閉じこもった。
「んじゃ、一週間休み的なやつですか?」
「いいや?櫻井が言っていたのは言葉のあやとか例えだな。実際は八雲さんとかローズマリーさんの使いの人が管理運営しているよ。俺らはそれに従うだけだ。」
筋トレを開始した大沢に、一狼はどこか釈然としない様子で何かすることは無いかと部屋の中をうろうろとする。こうして瞬く間に一日が終わった。
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「集まってもらったのは他でもない……今年の腕試しの企画だ。」
「お頭、まさかそのゲームとやらに参加したとか言いませんよね?」
「そんな素人が集まるようなもんにあたいらは参加したくない~」
「わしゃ、強ければ誰でも構わん。」
「俺は
「私は賛成だ。前々から思ってたけど、素人相手に本気も出せずに終わるのは消化不良だったんだよ。」
「サザレも、賛成。」
6人はその箱を見ると首を傾げる。
「これは、ダークウェブの一攫千金ウェブのゲーム進行役の270という奴からもらったものだ。セル=オウィディウスと言ってこれの中にはあらゆる動物や植物、虫の力が内包されているらしい。これを我々は体に打ち込み力を得てこのターゲットである明星一狼を殺すのだ。賞金はただいま四億。当分は腕試しをしながら日本だけでなく海外にも行ける様になる……悪い話ではないだろう?」
注射器を一本取り出し、番号順に打っていく。
「で、でも、オイラたち死にたくねぇよ……」
「あたいは、なんかその注射器の中身が嫌い!」
二人の男女が嫌がる中、他の面々は
「説明書を読むに、こりゃ老いも治すみたいじゃねぇか。わしにとっては万々歳じゃな。」
「
「不細工になるのは嫌だけど、バケモン相手に死にたくないしねぇ……」
「これ、なんか、気持ち、悪くなる。」
嫌がっていた二人は渋々その注射器を打ち込み、
「さて、腕試しの準備は終わったな……今回のゲームは相手の妨害もある。今までのフラストレーションを十分に発散させてもらうんだ。これくらいのハンデは必要だろう……そして、相手はチームで来る。俺らもペアを作って妨害を阻止しながらターゲットを殺す……最後に、鉄則!!」
「「「「「「裏切りは死!!」」」」」」
「その弐!!」
「「「「「「命乞いは死!!」」」」」」」
「その参!!」
「「「「「「負けは死!!!!」」」」」」
「最後!!」
「「「「「「鉄則は絶対!!!」」」」」」
「では、行くぞ!」
「「「「「「応ッ!!!!!!」」」」」」
続く。
長