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第2話 さっそくダンジョン作ってみる

 スレ主こと俺──高尾たかお蓮人れんとは早速次の日、自宅近くの裏山を訪れていた。


 山の奥深くまで入り、自宅から行き来しやすく、木々で囲まれていて他人に見つかりにくい場所を探す。

 ダンジョンってことは多分誰でも入れるだろうからな。


 快適ダンジョンメイキングのため、『見つからない』ことは必須事項だ。


「うん、このあたりか」


 ここまでの道のりの傾斜は急じゃないし、たくさんの木々が太陽光を遮ってくれているおかげで昼でも薄暗い。

 目の前の崖に迷宮の入り口を作れば──完璧だ。


「えっと、これどうやって使うんだ?」


 15歳でスキルを預からなかった身としては、マッジで使い方分からんのだが。


 高校で使い方講座みたいなのあった気がするけど、スキル覚えてないのに誰が聞くねん、あれ。


 ただなんか、スキル名を言うとかそんな感じの気がするんだよな。


 ソース元はもちろんラノベだが。


「スキル、【迷宮管理者】!!」

『迷宮無いのにどうやって管理すんだよばーか』

「はっ倒すぞごらアアァァァ!!!!」


 俺は足元にあった石ころを力任せに蹴っ飛ばした。


 嘘だろ、スキルにすら煽られるのか? 親父にも煽られたことないのに!


 というか、スキルってしゃべるんだな。講座聞いてないから知らなかったぜ。


「ならどうすればいいんだ?」

『無いなら作ればいいだろ?w おいおい嘘だろ、最近の若者はそんなことも分かんねーのか……世も末だな』

「だからその方法聞いてんだろうがあああ!!」


 会話流暢すぎないか!? あと煽りも!


『迷宮創造って言うだけだって』

「いやそれだけなんかい。なら煽らず教えろよ……【迷宮創造】っ!」


 俺が唱えると、さっき考えていた通りの場所がゴゴゴと音を立てながら光りだした。


 少しすると、中が不思議なほど真っ暗な洞穴が出来ていた。


「お、おお!!」

『どや』


 なんか、弱そう! このダンジョンもあんだけ煽ってたスキルの人(?)も!


 だが、俺だけのダンジョンがほんとに出来たという事実には変わりない。


「こ、これもう中に入れるのか!?」


 俺はめちゃくちゃワクワクしながら、洞穴の中に入っていった。


 すると、突然浮遊感に襲われる。

 わっと驚くのもつかの間、何もないだだっ広い石造りの空間にやってきていた。


 こ、これがダンジョンの……!


「す、すげえ……」

『んじゃ、あとはさっきみたいにスキル【迷宮管理者】って言ったらいろいろできるから、自由に改造してくれたまえ』

「おいおい……ってことはムカつくお前ともおさらばできるってことかよ、最高じゃねえか……いて」


 どこからか飛んできた小石が頭にぶつかった。


 ふ、まぁいいさ……いて。スキル野郎も精々悪あが……いて、いててて。ちょっ、まっ…………


「多いわボケェ!!!」


 閑話休題。


「えっと、んじゃ早速……スキル、【迷宮管理者】ッ!」


 俺がそう言うと、バババババッと大量の光の板が目の前に現れた。


 よく見ると、そこには【フロアギミック】だとか【魔物】だとか【インフラ】だとか……インフラ?


 ってかすげえ、マジで何もかもできるのか……


 俺はその内容にざっと目を通し、まず一番必要な項目を変更した──!!





315.スレ主

おっけ、ダンジョン内にも電波通るようにしたわw


316.名無しのダンジョン好き

>>315 おまっ、早速始めたんか!


317.名無しのダンジョン好き

>>315 すげ、マジで作れたのかよ……


318.名無しのダンジョン好き

>>315 いやまず電波かよwww

さすがはネット民やなw

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