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第6話 労働基準法?知らないねぇ

「うっし、労働基準法ぶち壊すか」


:草

:やめんかい

:いっつも唐突すぎるんよw

:ちゃんと守ってもらって

:↑い ま さ ら

:……せやった


 スレ民たちになんか散々言われてるが、別に嘘じゃないので特に否定も出来ない。

 というか、否定する気もない。


 というのも、ダンジョンレベルが1でもゴブリンを配置できることが分かったからだ。


「取り敢えず一体出してみるか」


 そんな事を言いながら、ゴブリンのタブをポチッとタップする。すると目の前の草原が光り出した。


 あっ、これ進研◯ミでやったところだ! たしか空気中の魔力が集まることによって魔物が生まれるだったっけ。


 1人脳内で興奮していると、その光がだんだんと姿を成してきた。


「お、おー!!!」


 俺の目の前にはゴブリンがいた。


:すげー!!!

:ヤバwww

:マジで作れるのかよ……!!

:あれ、でも心ここにあらずって感じだな

:ほんとや、全然動かね

:目が点や


 スレ民たちの言う通り、ゴブリンはその場から動く様子は一切なく、頭も項垂れてるように少し下を向いている。


 ただ、些細な問題だろうと俺は思う。

 だって──


「おいおい、お前ら忘れたのか? 取り敢えずいろいろ触るんだよ」


 俺はゴブリンの頭に触れた。


 ピッ

 ババババッ


 …………うん、ほんとに出るのかよ。


:もう使いこなしてんじゃん

:使いこなす(テキトーに触る)

:草

:ま、まぁ分かりやすいね!

:はへー、ゴブリンもいろいろ出来そうなんだな


 目の前に表示された光の板には、さまざまな項目が記されており、魔物もいろいろ操作出来そうということが分かる。


 今の段階で操作できるやつでも、



──────────


無名のゴブリン1(変更可) Lv1


行動コマンド

ステータス


──────────



 の2つがある。


 当然、行動コマンドを達成すればズラーッと指示が表示されるし、ステータスをタップすればなんかいろいろ出る。


「さて、農家のコマンドはあるかな」


:無いだろ

:あるわけ無いだろ

:無理やって

:おつ

:快適生活終了のお知らせ


「お、あった」


:え?

:ん?

:ど?

:ら?

:↑しれっと縦読みで著作権引っかかりそうなことするなよw

:なんで農家あるんだよwwww

:何、迷宮管理者のスキル作った人も同じことしたかったの?w

:さすがに草すぎる


 【敵と戦う】や【巡回する】などの『いかにもダンジョン』なコマンドが溢れる中、かなり下の方までスクロールすると、明らかにコマンドがたくさんあった。


 その中の1つに農家があったのだ。


 …………探した俺が言うのも何だけど、なんであるんだよ。

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