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第10話 スレ主とはプロ建築士である(なお資格と経験は皆無とする)

「スレ主とは、プロ建築士である。なお、資格と経験、参考書は皆無とする」


:おい

:プロとは

:アマチュア未満じゃねーか

:お前ら違うって、【プロ】じゃなくて【フ◯口】で不円光。円光は仏とかの頭にある後光のこと。それを"不"で否定してるから、ここで言う【プロ建築士】は【まったくすごくない建築士】ってこと

:っは──!!

:なんという高度なボケ

:めっちゃ博識ニキいるやん


「待ってお前ら、ボケてんだから分析とかせずにちゃんと罵倒しろよ。真面目な解析が1番心にくるんだぜ……」


 脳のフィルターを一切通さずに喋ってたら、いらん方向にめちゃくちゃ解釈されてしまった。

 というのも、俺はまだ自宅建設を諦めてないのだ。


「MyHomeくらいお任せじゃなくても作れちゃうって」


 別にめっちゃデカくする必要もないし、災害対策や犯罪対策もしなくていい。


 だってここは俺のダンジョンだからな。


:やべぇ、マイホームだけ発音いいのクソ腹立つ

:ワイもや

:理由は単純、言ってるのがスレ主だから

:完璧に理解したわ

:満点回答すぎる

:ってかスレ主マジで出来るの?

:素人の建築ほど怖いもの無いけど


「おいおいお前ら、家なんて何回見てきたと思ってるんだ……最悪、屋根と壁さえあれば見た目家だろ?」


 見た目だけあればいいんだ。


 極論、家なんて作らずその辺に荷物とか置けばいいけど、それは俺のこう……人間的なアレが許さん。

 アレがね。うん。


 だから、ハリボテでも作りゃいいんだ。


 おっしゃ!! いける気がしてきたぞ!!!


:お、おう

:そう、か…………

:親が子を見守る気持ちってやつかこれが

:母さん、今まで苦労かけてごめんな──

:感謝しかないよ──

:……うん。疲れたなツッコむの

:諦めんなよッ!! スレ民が諦めたら誰も止まんねえからよッ!!!

:幼稚園かなんかなのか、ここはw




「…………ふぅ」


 完成、かな──!!


:家(地面に転がる板)

:家(なお人の方がデカい)

:家(イェア!!!!)

:家(は?)

:家(ゴミと化した)

:知 っ て た を越えられることあるんや


「ふっ、お前ら……好きなだけ言いやがれよクソがあああああああ!!!!」


 地面に落ちた屋根に、俺はドサッと崩れ落ち、悲しみと怒りの感情を拳に込めて殴る。


 結局どうなったか、だって?

 聞かないでくれよおおおおおお!!! そういうことだあああああ!!!


:さっ、切り替えよう!!

:おう次何する!?

:まだ農業しかやってねーぞスレ主

:あれをやったに含めるかすら怪しいけどなw

:全自動農業とか、マジでマイ◯ラでしか聞かないからな


「お前らもうちょい悲しもうぜ?」


 人の心無いんか?


「くっ……まぁいいさ。いつかお任せでやらせよう……ってか、今何時?」


 ダンジョン作ったのはお世辞にも早いと言えない時間だったので、もしかしてもう結構な時間か?


:ちょうど18時まわったとこやな

:↑えマジ!?

:おう、そんなに食いつくことか?

:ったりめーだろ!! 仕事終わりの時間ぞ!?

:サボリニキかいwwwww

:捕まってなかったんか!?

:リアル全裸待機は!?

:全裸になったのはワイの心だけ、ってな──

:………………

:………………

:………………

:沈黙は了承と取るで!?

:↑よくあるセリフだけど、今回はマジでなんの了承やねん

:長文ツッコミおつ


「んなら、時間も時間だし、続きはまた今度するか!!」


 ちょうどキリもいいしな!


:終わり!?

:え、もう!?

:マジか……

:もうちょいしよーや!!!!


「おいおいお前ら…………配信が終わり帰るはホーム。、したくないんか?」


 ニヤリと笑いながら俺は言う。


 ふっ、こうしてるとスレ民をまとめるスレ主って感じがしていいな……!


:はよ終われ

:スレ行くわ

:スレ主何してんの?


「ぶっ飛ばすぞ?」

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