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第13話 お、お慈悲を……

「お、お慈悲を……」


 俺は現代日本において全員が知っている最後で最強の謝罪技、『土下座』を披露する。

 これまでの人生で培った全プライドを、一切躊躇わずにドブに捨てた。


:草

:正しい行動

:サボリニキ、スレ主裁く立場なのマジおもろい

:おもろいと同時に乾いた笑いが出るのは俺だけか?

:ふっ、奇遇だな。ワイもや

:ダンジョンメイキング、これにて完──


「いやぁ、たしかにスレ主、立派なダンジョン法違反で、すぐにでも訴えないといけないんだよね」


 くっそ、我がスレ民にこんなヤツがいたとは……初耳なんだが……!!

 なんで少人数スレに最高峰の人間がいるんだよ!


 ……こうなったら、魔物召喚して処分しか──


「──ただ」


 おっと危ねえ……途中の段階全飛ばしして最終手段に手を出すところだったぜ。

 いや、冗談だからね? さすがに人殺しはしないからね?


 それはそうと、流れ変わったな?


「やっぱさ……確かにダンジョン科副長だけどさ、その前にまず、僕もスレ民じゃん?」


:おっと確定演出

:↑メタ読みすなw

:流れ変わったなに留めておかないと


「だ、ダメだって! フラグたてんな!」


 まだここから裏切られるEndもあるかもしれねぇ! どのラノベでも見たことないけどな!


「まぁ、バレなきゃ犯罪じゃないかなって」

「こっち側だったあああああああああ!!!!」

「待って一緒にしないで」

「えっ、この流れでフラれただと?」


 あ、あぶ……あぶな…………た、助かった。


:そうだぞ。人をサボリニキとか言いつつ、1番サボってるスレ主

:↑うおぅ、言葉のカッターナイフが飛散してるぜ

:カッターナイフが飛散という最恐の言葉すぎて

:最悪のEndは回避で助かった……


「でも、いいのか? いや、めっちゃありがたいんだけどさ、今度はここでまたダンジョンブレイクが起こるかもしれないんだぜ?」


 埼玉で起きたダンジョンブレイクは、まだ一ヶ月前と記憶に新しく、まだ復興の最中だ。

 ダンジョン科副長としても、あの悲劇を繰り返したくはないはずだ。


「だから僕が来たんだよ。ダンジョンブレイクには前兆があるって聞くし、まぁそもそも普通のダンジョンじゃないし大丈夫っしょ」

「副長ざつぅ〜……」


 それでこそ我がスレ民だ。


「あと……」

「ん?」

「これ報告したら、僕の仕事増えるじゃん……サボりたいよ」

「あ良かったサボリニキだ」


:あ良かった本物だ

:あ良かった偽物じゃない

:あ良かったいつものサボリニキだ

:本物の確認方法好き


「いやさ、君たち知らないと思うけどさ!? ダンジョンの管理ってびっくりするくらい面倒くさいんだからね!?」

「だからいつもサボってる、と」

「いやサボってないよ?」

「え、真面目なの……?」

「いや、ちゃんと部下に押し付けてる」

「おい」


:おい

:サボリニキさぁ……

:だめじゃねーか


 まぁいい。

 とりあえずダンジョンメイキングを継続できないという危機は無くなった。


 しかも、最強の知識の獲得とも言える。


 ……男の子として、こんなに燃える展開があるだろうかいやない!!!


「よし! 早速、続き作っていくか!」

「おー!」

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