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第14話 うっし、第2の地球作るか

「スレ主、次はする予定なの?」


 ふむ、何も考えてなかったな。

 少し期間も空いたし、一旦今の状況を振り返るか。


 まずは、ダンジョンについてだ。



──────────


無名のダンジョン(変更可) Lv.2

→階層……………………1階層

 召喚可能な魔物数……8体(うち6体召喚済)

 設置可能な罠の数……2個(うち0個使用中)

 ︙

 ︙


──────────



 とりあえず、できることがまだ少なすぎるな。

 ダンジョンレベルを上げることが最優先事項か。


 しかし、必要ないものを適当に設置してレベルを上げるのは無駄すぎる。


 俺の快適ダンジョンライフを送るために必要なこと。これを徹底することが『しなければいけないこと』か。


 だが、魔物はあと2体しか使えない。

 魔物なしでできること…………


 俺は今のダンジョンを見渡す。


 鉄でも石でもない無機質な素材で、石畳状に敷かれた地面。一部だけ草原へと変更され、そこが今畑になろうとしている。


 正直、全く安心できない景色だ。


「うっし、第2の地球作るか」

「なんでちょっと大げさに言うんだよ」


:それはさすがに過剰すぎるって

:までも、たしかにリアリティないよな

:あり


 早速管理者ボード開き【地形変更】を押し、畑の時と同じく【草原】を選択する。



──────────


地形変更


・草原

→:全体変更

 :部分変更

 :(その他一括変更)


──────────



「おっ?」


 以前は無かった【その他一括変換】なるタブが追加されていた。


 これあれか? 今一部草原にしちゃってる状態だから、そこはそのままでそれ以外を変更するみたいな。


 ……いや、そこまでやってくれるのこのスキル。


「まぁいいか! とりあえず、【地形変更草原、その他一括変換】!」


 すると、今回は範囲指定画面に移ることなく、周囲が光りだした。


 そしてすぐ収まると、緑豊かな地面へも早変わり。


「あ〜、目に優しいぃ……」

「でも、どうせなら水も欲しいね」

「えっ海作る?」

「すごい字面だ。川くらいでいいと思うけど」


:ゲームでも聞かない単語すぎるw

:てかさ、海って全然解明されてないんだろ? ここで作って研究したらめっちゃ稼げるんじゃね?

:たしかにと思ったし、最後に金稼ぎに繋がるの好きやで

:でもダンジョンの海だから、水魔法とかと同じで魔力で作られるんじゃね?

:あー確かに


:待って、すっごい脈絡BREAKしていい?

:↑おうどうした?

:なんか、ここのスレ民頭良くね? 会話ついていけないの俺だけか……?

:↑普段なら「ワイもやで^ ^」って書くけど、まだこのレベルならついてきてくれよ

:「海研究できるんじゃねー?」「でもー?」だぞまだこの会話

:おっと、もしかして俺のバカがバレただけ?

:バカニキようこそ

:最悪の名前で草


 たしかに草原しかないのも、それはそれでリアリティ無いな……。

 ここはサボリニキに従おう。


 再度【地形変更】を選択し、少しスクロールしてみる。

 【森】や【渓谷】、【火山】などを越えるとサボリニキの言う通り【川】があっt……


 えっ、【渓谷】? 【火山】? そんなのまであんの? ……ふむ、見なかったことにするか。


「【川】どこへんに作る?」

「あっほんとにできるんだ。地形変更ってレベル制限無いんだね……っと、うーんどこがいいかな」


:どうせなら畑とかそーいうのと街を区切るように作らね? 区画整理されてた方が分かりやすいだろ

:街の中にも川欲しくね? 癒しが欲しい

:それはあとから多分できるんじゃない?

:あー確かに。なら一旦区画整理を優先するか


「……す、スレ民がなんか優秀なんだけど!?」

「失礼すぎない?」

「サボリニキが何を言う」

「……ぐぅの音も出ない」


:え、でもスレ主だって平日夕方からなn((

:↑アーメン。いいやつだったよ

:見捨てるまで早すぎる

:サボリニキよりスレ主の方がサボってる説が浮上してきたな


 ッスゥゥゥゥ…………


「よし【川】作るか!」

「話そらすの下手すぎる」


 サボリニキを無視しつつ早速【川】を選択する。


 ブーブー《》


:おっと?


 ……嫌な警告音だな?


『【川】を生成には、始点に【山】、終点に【海】が必要です』


「クッソがあああああああああああ!!!!」

「ごるべはああああああああああッッッ!!」


 俺はサボリニキに八つ当たりして、怒りのまま殴った。

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