「スレ主、次はする予定なの?」
ふむ、何も考えてなかったな。
少し期間も空いたし、一旦今の状況を振り返るか。
まずは、ダンジョンについてだ。
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無名のダンジョン(変更可) Lv.2
→階層……………………1階層
召喚可能な魔物数……8体(うち6体召喚済)
設置可能な罠の数……2個(うち0個使用中)
︙
︙
──────────
とりあえず、できることがまだ少なすぎるな。
ダンジョンレベルを上げることが最優先事項か。
しかし、必要ないものを適当に設置してレベルを上げるのは無駄すぎる。
俺の快適ダンジョンライフを送るために必要なこと。これを徹底することが『しなければいけないこと』か。
だが、魔物はあと2体しか使えない。
魔物なしでできること…………
俺は今のダンジョンを見渡す。
鉄でも石でもない無機質な素材で、石畳状に敷かれた地面。一部だけ草原へと変更され、そこが今畑になろうとしている。
正直、全く安心できない景色だ。
「うっし、第2の地球作るか」
「なんでちょっと大げさに言うんだよ」
:それはさすがに過剰すぎるって
:までも、たしかにリアリティないよな
:あり
早速管理者ボード開き【地形変更】を押し、畑の時と同じく【草原】を選択する。
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地形変更
・草原
→:全体変更
:部分変更
:(その他一括変更)
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「おっ?」
以前は無かった【その他一括変換】なるタブが追加されていた。
これあれか? 今一部草原にしちゃってる状態だから、そこはそのままでそれ以外を変更するみたいな。
……いや、そこまでやってくれるのこのスキル。
「まぁいいか! とりあえず、【地形変更草原、その他一括変換】!」
すると、今回は範囲指定画面に移ることなく、周囲が光りだした。
そしてすぐ収まると、緑豊かな地面へも早変わり。
「あ〜、目に優しいぃ……」
「でも、どうせなら水も欲しいね」
「えっ海作る?」
「すごい字面だ。川くらいでいいと思うけど」
:ゲームでも聞かない単語すぎるw
:てかさ、海って全然解明されてないんだろ? ここで作って研究したらめっちゃ稼げるんじゃね?
:たしかにと思ったし、最後に金稼ぎに繋がるの好きやで
:でもダンジョンの海だから、水魔法とかと同じで魔力で作られるんじゃね?
:あー確かに
:待って、すっごい脈絡BREAKしていい?
:↑おうどうした?
:なんか、ここのスレ民頭良くね? 会話ついていけないの俺だけか……?
:↑普段なら「ワイもやで^ ^」って書くけど、まだこのレベルならついてきてくれよ
:「海研究できるんじゃねー?」「でもー?」だぞまだこの会話
:おっと、もしかして俺のバカがバレただけ?
:バカニキようこそ
:最悪の名前で草
たしかに草原しかないのも、それはそれでリアリティ無いな……。
ここはサボリニキに従おう。
再度【地形変更】を選択し、少しスクロールしてみる。
【森】や【渓谷】、【火山】などを越えるとサボリニキの言う通り【川】があっt……
えっ、【渓谷】? 【火山】? そんなのまであんの? ……ふむ、見なかったことにするか。
「【川】どこへんに作る?」
「あっほんとにできるんだ。地形変更ってレベル制限無いんだね……っと、うーんどこがいいかな」
:どうせなら畑とかそーいうのと街を区切るように作らね? 区画整理されてた方が分かりやすいだろ
:街の中にも川欲しくね? 癒しが欲しい
:それはあとから多分できるんじゃない?
:あー確かに。なら一旦区画整理を優先するか
「……す、スレ民がなんか優秀なんだけど!?」
「失礼すぎない?」
「サボリニキが何を言う」
「……ぐぅの音も出ない」
:え、でもスレ主だって平日夕方からなn((
:↑アーメン。いいやつだったよ
:見捨てるまで早すぎる
:サボリニキよりスレ主の方がサボってる説が浮上してきたな
ッスゥゥゥゥ…………
「よし【川】作るか!」
「話そらすの下手すぎる」
サボリニキを無視しつつ早速【川】を選択する。
ブーブー《》
:おっと?
……嫌な警告音だな?
『【川】を生成には、始点に【山】、終点に【海】が必要です』
「クッソがあああああああああああ!!!!」
「ごるべはああああああああああッッッ!!」
俺はサボリニキに八つ当たりして、怒りのまま殴った。