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セレナたちは、北の地で封印の石を手に入れた後、次なる目的地である西の地へと向かった。西の地は、広大な砂漠地帯が広がる過酷な場所であり、古代からの伝承によれば、そこでの試練は非常に厳しいとされていた。
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「西の地は、かつて栄えていた都市が砂漠に埋もれてしまった場所です。その都市のどこかに封印の石が隠されている可能性が高いわ」
エリザベスは地図を広げながら説明した。彼女たちは砂漠を進むために、十分な水と食料を準備していたが、それでも砂漠の過酷さに対する不安は拭えなかった。
「砂漠の中で何が待っているのか分からないが、油断はできない。行くぞ」
ライアンは仲間たちを奮い立たせ、セレナもその決意を胸に砂漠の道を歩き出した。
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砂漠の太陽は容赦なくセレナたちに降り注ぎ、砂丘が延々と続く中で、彼らの体力は次第に削られていった。それでも彼らは、古代都市の跡を目指して進み続けた。
「水が……足りなくなるかもしれないわ」
エリザベスが不安げに呟きながら、彼女の魔法で水を生成しつつ、なんとか進んでいた。彼女の顔には疲れが見え隠れしていたが、彼女もまた諦めることなく進んでいた。
「この砂漠を越えれば、きっと目的の場所にたどり着けるはずだ」
セレナは自分自身を励ましながら、仲間たちと共に歩みを進めた。彼女たちは砂漠の中で迷わないように注意しながら、古代の地図を頼りに進んでいった。
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数日後、ついに彼らは砂漠の中央にある古代都市の遺跡にたどり着いた。その都市は砂に埋もれ、荒廃していたが、かつての栄華の名残がところどころに見られた。
「ここが……西の地の古代都市か」
セレナは息を呑みながら、遺跡を見渡した。彼女たちは注意深く周囲を探索し、封印の石が隠されている場所を探し始めた。
「ここには、何か強い魔力を感じる……」
エリザベスが警戒しながら言った。その言葉が終わる前に、遺跡の奥から強烈な風が吹き荒れ、砂が舞い上がった。
「これは……ただの風ではない!」
ライアンが剣を構え、周囲を警戒した。その瞬間、砂の中から巨大な砂の怪物が現れ、セレナたちに襲いかかってきた。
「罠だったのか……!」
セレナは素早く魔法を発動し、怪物の攻撃を防ごうとしたが、その力は想像以上に強力だった。怪物は砂でできた体を自在に操り、次々と攻撃を繰り出してきた。
「このままでは、封印の石にたどり着く前に倒れてしまう……!」
セレナは怪物の動きを見極めながら、何とかしてその動きを封じる方法を考えた。エリザベスも魔法を使って怪物を牽制し、ライアンは剣で反撃し続けた。
「怪物が現れた場所が封印の石の手がかりになるかもしれない」
エリザベスがそう提案し、セレナはその言葉に従って怪物が現れた場所を注視した。その場所には、他の場所とは異なる独特の魔力が漂っていることに気付いた。
「怪物の力は、この場所から引き出されているのかもしれない……」
セレナはその場所に集中し、魔法でその力を封じ込めようと試みた。エリザベスも加勢し、二人の力で怪物の動きを封じる魔法陣を展開した。
「今だ、ライアン!」
セレナが叫ぶと、ライアンは全力で剣を振り下ろし、怪物の中心部を貫いた。怪物は苦しむように叫び声を上げたが、次第にその体が砂に戻っていき、最終的に消滅した。
「これで終わりか……?」
ライアンが息を整えながら周囲を確認すると、再び静寂が訪れた。セレナたちは怪物が消えた場所に近づき、そこに封印の石が隠されているかどうかを確認した。
「ここに……何かがある」
エリザベスが手をかざし、砂を払うと、そこには古代の台座が現れた。その台座の上には、確かに封印の石が輝いていた。
「これが……西の封印の石……!」
セレナはその石に手を伸ばし、慎重に拾い上げた。石は冷たく、しかし圧倒的な力を感じさせた。
「これで、二つ目の封印の石を手に入れたわ」
エリザベスが安堵の表情を浮かべたが、セレナはまだ警戒を解かずにいた。
「私たちは、ここで気を緩めてはいけない。闇の同胞団がすぐにでも追ってくる可能性がある」
セレナの言葉に、ライアンとエリザベスも頷いた。彼らはすぐに次なる目的地へ向かう準備を整えた。
「東の地へ向かう準備をしよう。この石を守り抜き、封印を完成させるために」
セレナはそう言い、仲間たちと共に西の地を後にした。彼らは疲労と戦いながらも、次なる石を求めて東の地へ向かう旅を続けることに決めた。
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砂漠を再び越え、セレナたちは次なる試練が待ち受ける東の地へと進んでいった。彼らの旅は険しく、まだまだ終わりが見えないが、セレナたちは決して諦めることなく進み続けた。
彼らの前には、さらなる困難が待ち受けているかもしれない。しかし、セレナたちは封印の石を集め、世界の均衡を守るために戦い続ける決意を新たにした。
そして、その決意が、彼らを次なる戦いへと導いていくことだろう。