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第103話 助けて!アオイver!

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 ….………………………



 ……………


 ……いやー、すごい戦闘があったね。


 ジュンパクが蹴り飛ばされ、すっげぇかっこよくて俺の心にビンビンに来る様な装備の黒騎士がなんか森のなかにズザザーって引きずられていって……。


 そっから俺達は檻の中でポツンと放置されてた……


 「アンナ先輩、どう思います?」


 「あんな圧倒的な相手を一手とって森に引きずり込んだのよ、私の読みが甘かったかしら……あのガキ、思ったよりやるわね」


 さいですか……いやー、強キャラ臭漂わせるのは良いんですけどね。


 「僕たちのこの状況の話です」


 「うーん、私もこれは流石にまったく想定外よ」


 そう、みんな異世界漫画の見すぎで忘れてない?倒した相手の死体とかその後どうなってるか……


 ちなみに俺は考えたことなかったぞ☆


 よし、教えてやろう。


 ズバリ、周りに生臭い匂いというかたぶん健全な日本人なら嗅いだことのない匂いが充満して……


 それに釣られて魔物がいっぱいくるよ!

 めっちゃ来るよ!?まじで!


 魚ってさ小魚いっぱいいるとそれを食べに来る魚が来てまた大きいのがって連鎖するでしょ?


 あんな感じにまず小さいのが海賊達の死体やオクトクラーケンの死骸を食べに来て、さらにそれを食べようともう少し大きい魔物が来てさ……


 最終的にめっちゃ大きい魔物が来て縄張り争いとか目の前で繰り広げられてるのよ!結界が無いからやりたい放題!


 すごい!魔物の生体だ!とか思うじゃん?それだけ聞くとね?だけどさ!今俺らってそっから少し離れてるだけで直ぐそこでは肉食系がウジャウジャ居るわけよ!アンナ先輩の事じゃないよ?肉食系女子じゃないよ?本物。


 て事で、俺達は息を殺してなるべく目立たない様にして助けを待ってます。




 誰か助けてええええ!!


 このままでは俺達まじでヤバイ!



 「アンナ先輩、最後に遺言いいですか?」


 「ふざけたこと言ってないで静かにしなさい、……ほら、心配しなくても来たみたいよ」


 アンナ先輩がそう言って指差す方向から黒騎士が出てきた。


 黒騎士は、まっすぐ此方に歩いて来ていて魔物達は襲うのかと思いきや蜘蛛の子を散らす様に逃げていった……


 何あれ、○ケモンの虫除けスプレーゴールドも使ってんのか?


 「待たせたな」


 お前は○ネークか。


 「助けてくれてありがとうございます、私はこのアオイと一緒に飼われている奴隷のアンナです」


 「……そうか」


 「私の、勝手で……すいませんがアオイと一緒に助けてもらえませんか?」


 え?あの魔皮紙って俺限定だったの?


 「僕からもお願い、この人のおかげで僕も無事だったし」


 「了解した、元々No.35以外は死んでる可能性があると聞いてるだけだ、問題ない」


 なんで俺は死んでないと思ったんだ上の人は……


 黒騎士は檻を斬って俺達を解放する……切れ味いいね、うん。


 「少し待ってろ」


 そういって黒騎士は魔皮紙をどこからともなく手品の様に取り出し起動させる……と言うか、さっきから何だろう、違和感が俺の中にある。


 「この魔皮紙は特別性だ、踏むと指定された所に転移される」


 その説明を聞いてアンナさんは驚いた。


 「ち、ちょっとまってください、そんな魔皮紙聞いた事ありませんよ!」


 「…………俺達の詮索はやめろ、身を滅ぼすぞ」


 「……はい」


 すげぇ、かっこいいセリフ。

 最近自分がやっぱりアニメとか漫画の中に居るんじゃないかと錯覚してしまう。







 俺とアンナ先輩が魔皮紙を踏むと魔方陣が光だし目の前が真っ白になり……





 __次に目を開けるとそこは町長の家の門前だった。










 ただいま。





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