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第123話 アオイ先生がんばるよ!


 なんじゃこりゃ……軽くホラー映画だよ……あれ?転生する先間違えられた?



 運が良いことにここは洋服店、隠れるものはいっぱいあって大量の服の山の中に隠れている……ちなみに、小さいハエがまだ店の中にいるのでは無いかとスッゴいビクビクしてます、誰か助けて!


 あんなの見せられたら外に出れないよ!?


 ハエは空飛ぶのがすっごい早いのよ、デカイのなんかここまでブーーーンって音が聞こえる。


 逆に考えろ?この店に隠れる事が出来てある意味運が良かったのかも?

 もしも。あのまま逃げてたら足が遅い俺なんか今頃捕まえられてイスなしの空中ブランコ状態だったのかも……



 もう一度隠れながら外を見る……ある者はハエに抵抗していたが空から落とされベシャッと音を立てて地面に内臓の血を撒き散らした後、潰された状態で持っていかれいて…………また、他の者はハエが途中で我慢できなくなったのか頭を齧られながら持っていかれてる……


 ひぃい……何だよ、何なんだよ!


 異世界ってこんなんだっけ!?もっとこう!モンスターだ!倒せ!みたいな……そんなんじゃないの!?


 リアル過ぎんよ!!!グロすぎ!!!


 いや、待て、異世界の先輩方はこう言うのを裏で努力してたのか!?まぁ!あれは漫画とかの話だけどさ!怖いよ!うわぁぁあ!くわせふじこ!!!


 ………………………。



 …………さて、文句いっても始まらないぞ、俺。


 この状況で逃げ切る手段を探せ!


 1、このままここに引きこもる。

 待て、大体引きこもったら、とあるゲームでは町ごと吹き飛ばされてた。

 ここは異世界だぞ、そんなことも視野に入れろ。つまり動くのが先決だと思う。


 2、動く。

 どうやって行動する!?

 あのハエ達の偵察を逃れながら移動なんて……ええい!何か無いか何か無いか!


 と、自分のポケットを漁ってると魔皮紙と一本の羽が出てきた。


 「あ……」


 それはヒロスケの羽とみんなから貰った魔皮紙だ。


 「アオイ先生、頑張れ……か」


 …………………………………


 そうだな……勇者である俺がこういう時頑張らないと……



 「よし!」



 上等だ!ハエ野郎が!やってやるよ!やってやっちゃりますよ!!


 まず、目指すところは決まった。


 モグリマスターの屋敷だ!



 ギルドに行って保護してもらうのは考えたけど、もしも誰か逃げ遅れてるのがそこで分かった場合、もうそこから出られない可能性が高い。


 ならば最初に屋敷を確認してギルドを目指す!




 モグリマスターの屋敷はここからあのデカイ親玉の後方だ。


 ここから迂回していけば何とかなるかもしれない……遠回りだが……



 後は移動方法…………ポケットには何も無かった……なら、この場にあるもので……


 ……………………………………………………


 ………………………....………


 ……………あ!!!!



 俺は隠れていた洋服から飛び出て一つのダンボールに入ってる洋服を全て出した……洋服が目当てじゃない!



 そう!“ダンボール”!CQCは基本だよな!

 あってよかった!異世界ダンボール!



 さぁ!待ってろよ!みんな!



 ダンボールを被って移動し外へ出た。


 ちなみに前が見えるかって?あの手で掴むとこをパカパカしながらみてる。



 空を飛んでるハエはどうやらまだ気が付いてないらしい。


 成功だ!虫の目って人間と違うって言うのを聞いたことあったけどそれが今回いい方向に作用して良かった……








 俺はそのままズルズルと目的地までゆっくり確実に移動を開始した。









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