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第131話 小さい奴らは殲滅!

 「と、言いたいところですが、ヒロユキさん、本当に動かなくなって危険なのでキスをお願いします」


 「……断る」


 「えー!ひどい!」


 「仕方ないからミーがユキの姉貴にキスしてあげようか?」


 「またジュンパクは冗談を言って悪い子です」


 「えぇ……それユキの姉貴が言うの?」


 「……それで、何かあるのか?」


 「はい、私たちでは無く、ナオミさんです」


 ユキはナオミを指差す。


 「?、あたし?」


 「えぇ、モグリさん達は私達の話し合いを知りません、なので説明と挨拶をしてきてください」


 「ほう?どうしてあたしが?」


 「お母さんは言っていました……“言葉は力を持つ物”だと」


 「力?」


 「はい、心の力です!アナタが話す事でモグリさんの力になるはずなんです」


 そこまで言ったところでちょうど目を赤く充血させているモグリが部屋に入ってきた。


 恐らく、泣いていたのだろう。


 ユキがモグリの前に言って頭を下げる。


 「モグリさん……すいません……守ると言いながら守れなくて」


 「お前達が謝ることじゃない……それより、今後どうするかを話し合おう」


 そこでユキは代表騎士のナオミにアイコンタクトを取り、ナオミがモグリの前に立つ。


 「?、どうした?」


 「モグリ様……」


 モグリ様!?


 ナオミは騎士の様にモグリの前に跪く。


 「ごめんなさい……兄弟を救えなかった……それに、今ギルドが大変なことになってる……だからあたし達はこれからそこに向かおうと思ってるんだ」


 「そうか……」


 「そうすると子供達を守れなくなる……」


 そこでモグリはナオミの頭を撫でた。


 「お前は最初、死にそうでガリガリの娘だった……だが、今は立派なこの国の騎士だ」


 「……」


 「だけどな……お前が子供の頃もこんな感じでピンチの時はいくらでもあったんだ、それでも今のお前は強く生きている」


 「……」


 「お前が居なくても俺達は子供だったお前の時みたいに命に変えても守って見せる……だからこっちは気にするな」


 「……」


 そしてナオミを抱きしめた。


 「っ……」


 「出来ればまたいつものようにヒョッコリと来て子供達の相手をしてくれ……お前は子供達のヒーローなんだから」


 「もちろんです!」


 「じゃぁ、行ってこい!」


 「はい!」


 そしてユキは号令をかける。


 「みなさん、覚悟は良いですね____後は頼みました!」


 ユキの身体から放たれる光が、足元に広がる巨大な魔法陣を描き出していく。


「【ファイアードーム】!!!」




 その言葉を合図にヒロユキ達はモグリ邸から出発した!






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