出発はしたものの、アバレーの騎士の数は想像以上に多かった。
やむなく、森の中で一夜を過ごすことにした。
「以上が私の知ってる妹ちゃんの全てです」
「なるほど……」
聞くと、想像以上の情報だった。
「……いい情報はありましたか?」
「えぇ。驚くことばかりでした」
――『女神の翼』
この奴隷商団さえ追えれば、調べようはある。
「あなたのおかげで、大きく前進しました」
「そ、それなら良かったです!」
「次の出発は明日の朝6時にしましょう、アカネさんは一夜過ごせる魔皮紙を持っていますか?
「すいません……捕まる前に全て隠してしまいました……」
ギルドカードや転送魔皮紙があれば調べられリュウト達に迷惑がかかると判断したのだろう。
「何も持っていなくて怪しまれなかったんですか?」
「はい、私は奴隷なので」
「なるほど」
奴隷刻印を逆に利用しているのか。
奴隷ならば何も持たせなくても怪しまれることは無い。
「となると──」
テントをもう1つ作るか。
アカネは此方の意図を理解したのか「あ、なるほど」と手をポンと叩くと。
「大丈夫ですよ、私は元々そういう奴隷ですし胸や尻尾など触られるくらいは別にいいです、ただ本番は……その、リュウトさんが居るので勘弁して欲しいです……」
は!?
「ばばばば、馬鹿者!何いってる!?」
なななななにをいってるんだこの人は
「あれ?もしかして代表騎士さん童__」
「私は妻も娘もいる!」
「ふふ、そうですか♪きっと奥さんも楽しんでそうですね」
「何をだ!まったく……」
焦りながらもう一つテントを出して翌朝出発した。