クラリスとヴィクターが古代遺跡の力を封印した後、二人は再び王宮へと帰還した。しかし、彼らが休む間もなく、国全体に新たな脅威が静かに広がり始めていた。闇の結社は影の公爵を失ったものの、その勢力は依然として王国の中枢に浸透しており、次なる計画を進めていた。
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王宮に到着したクラリスは、国王に対して古代遺跡での出来事を報告した。封印が完了したことを伝えると、国王は感謝の言葉を述べながらも、どこか不安な表情を浮かべていた。
「クラリス、よくやってくれた。しかし、封印したとしても、私たちはまだ結社の動きを完全に抑え込めたわけではない。次の一手を講じなければならないだろう。」
クラリスは頷き、国王の言葉に応えた。「はい、陛下。結社が新たな手を打ってくる前に、こちらが先手を取る必要があります。彼らの根本的な拠点を突き止め、完全に壊滅させなければなりません。」
国王はしばらく沈黙し、その後重くため息をついた。「実は……我々も結社の動きを把握しつつある。王国内部にはすでに彼らの手が及んでいることが確実視されている。いくつかの高位貴族が、結社と密かに連携しているとの情報が入っているのだ。」
クラリスはその言葉に驚きを隠せなかった。「それは本当ですか?王宮の重臣たちが結社と繋がっているとは……」
国王は頷き、続けて言った。「ただ、まだ証拠が不十分だ。だからこそ、我々は慎重に動かなければならない。結社がさらに国全体を混乱に陥れる前に、内部の裏切り者を排除する必要がある。」
ヴィクターも冷静に状況を分析しながら提案した。「まずは、その高位貴族たちの行動を監視し、結社との関係を確証できる証拠を集めることが重要です。我々が敵の正体を明確にできれば、動きやすくなります。」
国王は頷き、クラリスとヴィクターにその任務を託すことを決めた。「よろしい、君たちにこの任務を任せる。結社の内通者を突き止め、彼らの計画を暴いてくれ。」
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数日後、クラリスとヴィクターは王国内で結社と密かに繋がっているとされる貴族たちを調査し始めた。特に目をつけていたのは、サイラス伯爵という名の高位貴族であり、彼の行動には以前から不審な点が多く見受けられていた。
サイラス伯爵は表向きは王国に忠誠を誓っているものの、その裏では結社に資金を提供し、彼らの活動を支援しているという噂があった。クラリスとヴィクターは、彼が結社とどのように関わっているのかを突き止めるため、彼の行動を密かに追跡することにした。
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夜が訪れ、王宮は静けさに包まれていた。クラリスとヴィクターはサイラス伯爵の邸宅に忍び込み、内部で何が行われているのかを調査するために動いた。
「サイラス伯爵が結社と密かに接触しているとすれば、今夜がその機会かもしれない。私たちは慎重に動きましょう。」クラリスは静かにヴィクターに言った。
ヴィクターは頷き、二人は邸宅の中を進んだ。暗い廊下を抜け、彼らはサイラス伯爵が密会を行っているという噂の部屋へと近づいた。その部屋の扉の隙間から、何やらひそひそと話し合う声が聞こえてきた。
「これが計画の全容だ。次の手は王宮内での行動だ。すべては結社の指示通りに進んでいる。」低い男の声が聞こえた。
クラリスはその言葉を聞いて、結社が再び動き出そうとしていることを確信した。彼らの次なる計画は、王宮内部をさらに混乱に陥れ、国全体を支配しようとするものだった。
「証拠を押さえたわ。彼らの計画を暴く時が来た。」クラリスはヴィクターに静かに合図を送り、二人は扉を蹴破って部屋に突入した。
「ここまでだ、サイラス伯爵。あなたの裏切りは終わりよ!」クラリスは剣を構え、伯爵に向けて叫んだ。
驚いたサイラス伯爵とその仲間たちは一瞬動きを止めたが、すぐに逃げ出そうとした。しかし、クラリスとヴィクターの連携した攻撃で彼らを追い詰め、結社との密接な関係を証明する証拠を押さえることに成功した。
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サイラス伯爵を捕え、結社の計画を阻止したことで、クラリスとヴィクターは国王に報告を行った。国王は裏切り者の処罰を命じ、結社の内部浸透を食い止めるために更なる防衛策を講じることを決めた。
「よくやってくれた、クラリス。これで結社の手が少しでも抑えられるだろう。しかし、まだ完全に終わったわけではない。結社の残党が何を企んでいるのか、私たちは引き続き警戒しなければならない。」国王は深刻な表情で言った。
クラリスはその言葉に力強く頷いた。「もちろんです、陛下。私たちはこの脅威が完全に消えるまで、決して手を緩めません。」
ヴィクターもまた、決意を新たにした。「結社はまだ動き続けている。私たちは彼らの次なる一手に備えなければならない。」
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結社の影は王国全体に広がりつつあったが、クラリスとヴィクターは決して諦めることなく、国を守るために戦い続けた。彼らの次なる戦いはさらに激化し、結社の本拠地を突き止めるための壮大な冒険が待ち受けていた。