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第119話



『お前ら、プレミアム入ったか?』

                      『愚問』

『愚問』

                      『愚問』

『金払ってないのが悪いくらいだったからな』

                      『間違いない』

『それじゃあ冒険に』

              『レッツゴー‼』




――『おい、まさかノエルちゃん、風呂にカメラ持ってく気か?』


   『何も問題ない。日本はそういう文化だ』


『そうだぞノエルちゃん。何も問題ない』

                      『ガンガン持ってこう』


『クズしかいねぇ……』


『ん?おい待てカオナシさん。何でノエルちゃんと一緒にいる⁉』



 『まさかこいつ、一緒に入る気じゃ⁉』


『女⁉』


 『な訳あるか‼あ、余計な事言うんじゃねぇ‼』


『カメラが⁉』


『許さねぇぞカオナシ‼テメェだけは絶対に許さねぇ‼』


『ああああぁぁぁあああ』


『……クズしかいねぇ』



――『何だあの生物。尻尾振ってるぞ?』


 『めっちゃ可愛い』


『モンスターなのか?』


 『凶暴なのばっかじゃないんだな』


『奥が深い』


『次は女子大?』


 『なぜ?』


 『……成程。この動画を金稼ぎに使うなら、生存者を助けた方が好感度が上がる』


『あーなる』


  『お前頭いいな』


『そこで女子大を選ぶカオナシさんは分かってる』



   『さあJDを救いに行こう!』


『おー』



――『……おー……』


   『すげぇ緑だな』


『まぁ人が集まる場所は、必然的にモンスターも集まりやすいからな』


『かと言って人探しの為に歩くなんて二人はしないだろうし』


『大きな避難場所にいる人以外は彼等の施し受けれそうにないな』



  『なむ』


『南無』

                    『ん?スピーカー?』



――『ノエルちゃん頭いい子』


   『才色兼備』


『将来有望』


   『焼肉定食』


『見た感じ人いなそうだが』


    『スピーカーめっちゃ囲まれてるw』


『見せてくれカオナシさん!』


 『あんたの力を俺達に!』


『いっけーーー!』


    『はぇえええええ!』


『体感速度やべぇ!』


     『一撃で蜥蜴吹っ飛んだぞ!』


『やっぱこの人バケモンだ』


『次どこ行くと思う?』


     『方向からして帝大かと』


『あー。日本一の学生だし、何人か機転きかせて生きてそうだな』



      『そう願うよ』





――「――‼」



『⁉』

     『⁉』

『⁉』

     『⁉』

『電柱⁉』


   『地面吹き飛んだぞおい⁉』


『こいつは……』


   『牛頭の怪物。ミノタウロス』


『見るからにやべぇ』


    『勝てんのか?』


『あ、逃げた』


    『マジかよカオナシさんに追いつくのかよ⁉』


『ヤバくねぇか?』


『落ち着け。この動画が上がってるってことはそういうことだ』


                           『確かに』






――「無理っぽい。使うぜ?それともお前がやるか?」


「よろ。じゃあ倒しちゃお」





『余裕だな』


   『使うって何をだ?』


『ノエルちゃん驚いてるけど、何が起こってんだ⁉』



  『主観だからよく分かんねぇ‼』


『お、おい、突っ込んでくるぞ⁉』

                     『死……』


『…………ミノさん殴ってるよな?』


 『普通に会話してるし、マジでわけわかめ』


『わ、手黒』


  『解析班!』


『あの黒いのが武装の一種だと見るのが妥当。全身に纏ってると予想。他は情報不足』


『ミノさん疲れちゃったよ』



 『どうなるんだ』






――「……んじゃ、終わらせるか」



『……ふぇ』

        『ふぇ』

『ふぇぇ』

                 『……いい景色だ』


『……風景が消えて、ミノが打ちあがって、ジャンプして、蹴り殺した?合ってる?』


『たぶん』


  『今の一瞬で?』


『ヤバすぎるって』


  『鳥肌凄すぎて鳥になったわ』


『ははははははhhhh』


  『興奮しすぎて狂った奴いるぞ』


『これは仕方ない』


  『マジでカッコよすぎる』






――「あの、あなた方は人ですか?」





『無理もない』

         『人だ』


『カオナシさんって結構礼儀正しいよな』

                     『見かけによらずな』




――『強化?』

          『まさか肉体強化か⁉』

『解析班!』


『不明。聞く限り魔法の一種か?二人にはそれが分かるみたいだな。カオナシさんの異常な身体能力もそれが理由か?結構デカいニュースだろこれ』


『荒れるぞこれは』


  『覇気も使えるみたいだな』


『やっぱ別格だわこの人達』







――「皆リーダー、快人さんに助けられて今の拠点に入りました。初めはもの静かな人でしたが、段々と周りの者に厳しくなり、今では一人を除いて扱いが酷くなりました」





『あーやっぱあんのかそーゆーとこも』

                     『強さに溺れたか』


『厳しい世界だな』

                    『まったくだ』


『お願いだってよ』

                     『カオナシさん見るからに嫌そうなだな』


『顔見えないのに分かりやすい』





――『わー……すっげ』

                 『土魔法かな』


『城だな』


                 『ミノさんよりは弱いらしいぞ』


『やっぱ強いんだなミノさん』


                 『それを一撃で殺すカオナシさんのヤバさよ』





――『何者だ?何処から来た?何をしに来た?』




『なんだこいつ偉そうに』



『日本に住んでて敬語も使えないのか』


『これは完全にイキってるな』


  『カオナシさん怒ったなこれ』


『ぶっ飛ばしちまえ!』





――『……お前を中に入れることはできない』




『は?』


       『あ?』


『何様だこいつ』

                       『一理ある、のか?』


『ねぇよ!全部ノエルちゃんが正しいんだ!』


『カオナシさんだって優しいんだぞ!ちょっと怖いけど』


『そうだそうだ!ちょっと怖いけど』





――『……なるほど…………。とんだお人好しだな。……分かった。少し待っててくれ』




『は?』


              『あ?』


『こいつ記憶力鶏か?』


         『結局自分の為か』


『めっちゃ笑ってる』


            『俺達も笑おうぜ』

『ははははは』

             『ははははは』

『ははははは』

             『ははははは』





――『……痩せてるな』


                『荒れるぞ、これは』


『わ、一瞬で壁が』


            『言うだけあって強いんだろうな』


『ミノさん以下だけどな』





――「何もできないし、何もしないし、何もしようとしてないんだろ?じゃあ戦える人間優先に飯配んの当然だろ」


「同感」





『ドライだな』


            『ほんと媚び売らないよな』


『そこがいい』


            『間違いない』





――「機会があれば」


『……』

         『……』

『……』

         『……行く気ないだろ』

『言うな』



          §


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